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都市公園の未来 ⑦ Player×深化:大人のプレイパーク

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2022年9月2日
  • 読了時間: 3分

従来の通勤とは異なり、わざわざ来街する人たちは、何らかのテーマコミュニティに属するプレイヤーであると考えます。都市公園をこのコミュニティを深化させる舞台として機能するためには、D2Cメーカーにおけるポップアップストアがベンチマークなるでしょうか? 普段のオンライン・コミュニケーションにおける話題・求心力作りや、リアルなフィードバック確認・共有などがその目的になります。コミュニティの仲間同士の多様なコミュニケーション機会そのものが、価値を持つ位置付けですから、「大人のプレイパーク」を提案します。

「プレイパーク」とは世田谷区の事例が有名ですが、通常の公園が安全を担保するために、様々な禁止事項に溢れている状況に疑問を抱いた保護者たちが展開した活動で、「自分の責任で自由に遊ぶ」を基本ルールに運営される公園です。そこでは通常の公園では見られない、焚き火、木登り、水遊び、穴掘り、ナイフを使った工作などが行われています。プレイリーダーのサポートの元で、最低限のルールとリスクの説明を受けた上で、思い思い自由に遊べるのです。子供だけでなく、「責任回避優先主義」に陥った大人にこそプレイパークが必要ではないでしょうか。大人のプレイパークでは、コミュニティで話し合い「ピザ窯を作ってピザパーティを開く」「仮設のお茶室で野点を楽しむ」「野外映画の上映会を開く」など、様々なアイディアを実現させます。周辺住民の理解が必要ですが、例えば公園を「大学」に見立ててはどうでしょうか? 大学だから実験するし、研究する。サークルを作って遊ぶかもしれません。そしてその行為を周りも「学生だから。。。」と寛容に受け入れてくれるかもしれません。その目線や立て付けが大切だと考えます。

また仲間同士で集まる場所は、自分たちで演出・創作するから楽しいと言われます。消費者の立場で使用する、「事業サービス施設」と同等の快適性は得られませんが、主体者としての工夫と実践が物語性と感動・満足感をもたらします。知人の映画イベントではまず自分たちが座る椅子作りから始めています。自分たちの使う目的に合わせて原則DIY で会場づくりを行うのです。制作プロセスにおける、リアルならではの物質感や手間(時にはアクシデント)を楽しみながら、コミュニティの一体感を醸成します。お祭りは準備そのものがワクワク体験になります。一定区画について準備、本番、後片付けなど複数日の貸切に対応できるような運営方式が有効です。周辺の居住環境にもよりますが、泊まりがけもOKだと確実に盛り上がると考えます。

現在の子ども向けプレイパークをサポートするプレイワーカーは、重大な怪我や事故の原因となるリスクを可能な限り取り除くこと、子供達に可能な範囲で注意を促すこと、何か起こったときに可能な範囲で迅速に対応し、被害を最小化することとされています。管理主体の行政や保護者を含めて、この共通認識が成立している「世田谷」は、権利と責任について前向きに理解が共有される民度の高いエリアと言えます。


 
 
 

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