これまでの考察を元にすると、提案の前提として、生活者、ネット事業者、リアル事業者に下記のような動向が浮かび上がります。
1.生活者動向
従来のようにテレビCMで認知されれば、購買意欲が掻き立てられ、売り場に足を運んでくれる時代では無くなりました。成熟社会化と技術革新に伴い、購買行動は複雑化し、顧客接点も多様化しています。さらにコロナ禍を経て、「本当に」必要な商品・サービスの見極めが厳しくなった上に、SNSによる情報発信の起点にもなっています。
2.ネット事業者動向
国内だけで400万店を超えるネット店舗がひしめく大競合時代に突入し、より有効な集客・差別化方策を求めて、リアル出店を模索していますが、リソース不足などの課題山積みの状況です。
3.リアル事業者動向
コロナ禍に伴う都市型商業の苦境。客数減、売上減。「リアルな店舗」のあり方を抜本的に見直す必要性
これらを前提にして、最終購入場所をネットショップとした、新しい購買システムを、前回イメージしました。リアル店舗は 広告やSNSと役割分担しながら、ネットショップの売り上げを支援する一翼を担う位置付けになります。リアルの価値であるエモーショナルな体験を通じて、コンテンツ、ブランド、コミュニティの体験強化が、主な役割になるというようにまとめられます。
リアル店舗は「売場」から「顧客接点プレイス」に位置付けをシフトするのです。これに伴い「評価」は売上から【誘導フック力】になり、「機能」は興味から購入までのワンストップではなく、【コンテンツ・ブランド・コミュニティの体験 】となります。
そして立地特性に合わせて【A:滞留型顧客接点】と【B:立ち寄り型顧客接点】とに二極化すると考えます。
次回以降に各々の顧客接点イメージを提示します。
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