ファン・タウンづくりの実践方策Aは「人テーマ」です。
【内容】
人テーマの発掘対象
人テーマをつなぐプラットフォームづくり
ギャップを秘めたブランディング
そして開催場所を拡張していく
ファン・タウンづくりの実践手法として、魅力資源「人テーマ」の磨き上げ方を検討します。
1.人テーマの発掘対象
まずどんな人が発掘対象になるでしょうか?以下のような人たちが例示できます。
こだわりの料理を提供してくれる飲食店の店主
モノづくりの職人
お稽古事から豊かなコレクションや蘊蓄・知見を持つ様々な分野の達人、
音楽・演劇・美術・工芸など様々の分野のアーティスト
2.人テーマをつなぐプラットフォームづくり
次にこの人たちを繋げるプラットフォームを検討します。
前述したように、個人の特技や興味をバラバラに並べただけでは、ユーザーに届きませんし、ファンも育めません。
大切なことは「ユーザー(受け手)がイメージしやすい体系化」です。
シブヤ大学や丸の内朝大学では、「街まるごと大学」に見立てて、「健康学部」や「美味しさ学部」のようにテーマグルーピングし、大学の講義として、教壇に立ってもらう機会を作っています。
「大学」見立ての他にも、「ストリートミュージアム」として、表現・発表の場と機会を提供できると面白いと思います。
もっと手軽には、住み開きをした上で、「街まるごとホテル」に見立てるセカイホテルの中の「文化室」のように位置付けたり、「大人の社会見学ツアー」に仕立てても良いと思います。
3.ギャップを秘めたブランディング
その上で、シブヤ大学のような「大学&面白フレンドリー」な表現や、燕三条の工場の祭典のように「工場&カラフルな祝祭感」のブランディングができると、ギャップによるインパクトを持ちます。
昔の街並みの中では、「ハレとケ」の対比が容易で、お祭りの祝祭感が、鮮やかに浮かび上がったのですが、「一年中がイベント」のようになっている都市の商業地において、存在感を持たせることは容易ではありません。インパクトのあるビジュアル演出や、丸の内朝大学のように、「朝」という時間に特徴を持たせることも参考になります。
4.そして活動場所を拡張していく
そして大切なことは、「活動場所の拡張」というベクトルを持つことです。
対象範囲を広げたり、開催場所を増やすだけでなく、公共施設や公園・道路など、開催ハードルの高い場所での実現を目指すことが、関係者のモチベーションになります。
コロナ禍ですっかり下火になってしまいましたが、「街バル」は非常によくできた仕組みだと思います。
共通チケットによる飲食店ホッピングは、それまで行ったことのない飲食店を開拓・体験する機会を楽しめますし、お店にとっても新規客との接点になっていました。
街バルの仕組みに加えて、月一度でも街路上にテーブル・椅子を並べて、「街まるごとビヤガーデン」になれば、非常にインパクトを持つのではないでしょうか。
次回は「場所テーマ」の実践手法を検討します。
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