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AR活用の未来:商業施設のXR武装 ⑩

【内容】

  1. 顧客接点プラットフォームのゴール

  2. ハイブリッド・スパイラルの可能性

  3. 商業施設が変わると、街が変わる




1.顧客接点プラットフォームのゴール

コロナ禍を経て変化の激しい流通の最終型について、2030年までに、下記のような状況に行き着くと想定します。

【消費者】は自分にぴったりの小さなブランドを探し、

【メーカー】はリードタイムの短いD2 C対応になり、

【小売】はPB開発するインフラ系店舗とエモーショナル系店舗とに二極化していく。

小売とメーカーとの境界が曖昧になり、個客、個売りを目指すことのではないでしょうか。

そして都市型商業施設が、エモーショナル系店舗を目指すのであれば、売り場としてのハコの大きさでは無く、顧客接点として、体験の質を高める事が、価値につながります。

このゴールを見据えながら(商業)施設事業者は、顧客接点プラットフォームを運営し、 BtoC だけでなくBtoBビジネスの充実を図るべきではないでしょうか。


2.ハイブリッド・スパイラルの可能性

ハイブリッド・スパイラルとは、リアル[人・場・街]と、デジタル[AR・オンライン]とが、掛け合わさることで、コンテンツ[ストーリー、感動]が、拡張していくことで、下記のようなプロセスになります。

  1. まずリアルの場の特徴や文脈を起点にして、 ARコンテンツとして、ストーリーやキャラクターを開発します。

  2. 次にARコンテンツを運営して、ファン・コミュニティを育成していきます。

  3. そのファン・コミュニティの拠点として、リアルな交流・発信の場を整備します。

  4. その上で、そこでの活動や派生したコンテンツを AR コンテンツとして、上書きしていくのです。

このようなプロセスを経て、リアルとデジタルとのハイブリッドで、スパイラル状に集客力を強め、価値向上していきます。

ハイブリッド・スパイラルの舞台として日本を見直すと、世界一の風土力、世界一の深掘り気質が大きなアドバンテージになると考えます。

南北3000キロに連なる日本列島は、亜熱帯から温帯・亜寒帯にまたがり、四季の変化が楽しめます。

また世界的にも恵まれた水資源をはじめ、豊かな自然環境と、それを舞台に各地方ごとに培われてきた、食を中心とした生活文化を重ね合わせることで、日本の「風土力」は世界一のバリュエーションを備えていると言えます。

また茶道をはじめとした芸道だけなく、金魚、盆栽からラーメン、マンガまであらゆるコンテンツを、「道」として極めようとする職人的な「深掘り気質」も世界有数だと考えます。

この二つの特性が遺憾無く掛け合わさることにより、日本中の様々なシチュエーションで、無尽蔵のコンテンツが生成されることが、期待できます。


3.商業施設が変わると、街が変わる

これからの商業施設は、交通利便性や高い容積率を追求するだけでなく、良質な顧客接点を提供するための「世界観とストーリー価値」が評価されるようになります。

事例としては赤坂離宮前の「虎屋本店」があります。

10階建ての近代的なビルから、自然素材をふんだんに使用した4階建ての社屋に建て替えられました。

自社のDNAを踏まえ、将来に向けたサスティナビリティを考えた上で、強みに磨きをかける選択だといえます。

東京大学の小泉先生が指摘される「これからの都市は真実性(相応しさ)と歴史性(サスティナビリティ)とが重視されるようになる」の好例で、「世界観とストーリー」を纏ったリアル環境をショールームのように生かしてオンライン上でファン(=経済価値)を獲得していくわけです。

商業施設が、世界観とストーリー価値とを重視した「ハード」を整備するようになると、街の風景が一変します。

ターミナルに、四角いビルばかりが並ぶのではなく、自然や歴史資産を生かせる立地に、その土地の文脈に沿ったデザインが、施されるようになるのではないでしょうか?

商業施設が変われば、街が変わるのです。

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