top of page
検索

AR活用の条件:商業施設のXR武装 ⑤

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2023年6月2日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. AR実践例での検討

  2. ユーザーの「ハマるマインド」の必要性

  3. フックとしてのリアル・アイコンの必要性


1.AR実践例での検討

私たちの研究会で、AR関係企業などの実践者を招き、現状でのARコンテンツの実践例で、その可能性を検討した事があります。

  1. 飲み屋横丁の事例:飲み屋横丁を舞台にして、路地を歩いていると、お上さんの声がけやおすすめメニューなどが、表現される映像です。

リアルで店内を覗くのは、勇気が必要ですから、非常に有効だと評価されました。

※シャッターの降りた地下街を舞台にして、物陰からゾンビなどが飛び出してくるような、お化け屋敷も面白そうだと言う意見が出ました。

  1. ショッピングモールの事例:一方で、ショッピングモールの共用部を舞台にして、若手アーティストの作品を展示したり、吹き抜けを活用した水族館などの事例では、リアルな場所とARコンテンツとの脈絡が見えないため、視聴までの多段階のハードルを越えることは、難しいのではないかという意見でした。

  2. Vtuberのライブステージの事例:Vtuberのステージが、リアルに用意され、そこでライブが行われるのであれば、 ARでしか視聴できないVtuberを見るために、デバイスを起動する必要性は、理解できるという評価でした。


その他、渋谷の街を背景にして、クジラやキャラクターが、浮かび上がる ARコンテンツもあり、演出としては面白いですが、その内容でのマネタイズは、難しそうだというのが、参加者の共通認識でした。


これらの検討を踏まえて、AR技術の活用に向けて、二つの条件を設定します


2.ユーザーの「ハマるマインド」が必要

第一の条件は、ユーザーの「ハマるマインド」が必要だということです。

AR体験を楽しむには前述したように、ユーザーの能動的なアクションが求められ、そのためのマインド・シフトが必要なのです。

ディズニーランドのゲートを潜ったときに、「よーし、ミッキーと遊ぼう」と言うマインドに似ています。

この「ハマるマインド」があるから、レストランにミッキーが現れると、ハグしたり、一緒に写真を撮ろうとしますし、案内板などの表示に「隠れミッキー」を探そうとします。

例えミッキーマウスほどのキラーコンテンツであっても、平日に丸の内のオフィス街を歩いていれば、人が遠巻きに見てしまうのではないでしょうか。

飲み屋街をブラつくときに、「よーし、どの店で飲もうかな」という気持ちがあるからこそ、 ARアクションを通じて、店内の様子やおすすめメニューを知ろうとするだと考えます。大切なのは、ユーザーの「ハマるマインド」づくりなのです。

ディズニーランドで、ミニーのヘアアクセサリーをつけて楽しむように、ベネチアのカーニバルでは、参加者が「マスケラ(仮面)」をつけています。

マスケラを付けることによって、日常とは違う自分に変身できるのです。

これに倣って、マスケラにARグラスが、仕込まれていて、それで AR体験が楽しめるようなシチュエーションが、面白いのではないでしょうか。


3.フックとしてのリアル・アイコンの必要性

第二の条件は、 ARコンテンツへの導入フックとして、リアルなアイコンが必要だということです。

やはりAR コンテンツは、デジタル上の演出であり、「AR単体ではインパクトに欠ける」という認識が,だと前提になると考えます

何もないところから、「AR上に何かがある」程度では、ワザワザ視聴する行為を促すことは、難しいということです。

視聴までのハードルを考慮すると、リアル世界に「プチ・テーマパーク的な世界観」があって、そこをフックにする必要性を感じました。

「ボケモンGO」は、ARコンテンツの成功事例として取り上げられるますが、コンテンツの強力さが別格で、一般解としては、コンテンツに頼りすぎない演出スタンスが必要ではないでしょうか。


商業施設の「どの部分で、どんな用途で」AR技術を活用していくべきなのか?を見極める必要がありそうです。

 
 
 

最新記事

すべて表示
方針3:多元的な価値回収 非デベ街づくり ⑧

【内容】 ⒈ 多元価値回収が必要となる背景と課題の本質 ⒉ 多元価値回収の設計思想と構造モデル ⒊ 基本方針と具体施策および実装の要点 ⒈ 多元価値回収が必要となる背景と課題の本質 現代の都市開発において、「多元的に価値を回収する構造」は不可欠な視点となっています。 その背景には、賃料単独では投資回収が成立しにくいという構造的限界があります。建設費や金利の上昇により初期投資が増大する一方で

 
 
 
方針2:時間価値の最大化 非デベ街づくり ⑦

【内容】 ⒈ 時間価値設計の必要性と課題の本質 ⒉ 時間価値の設計思想と構造モデル ⒊ 基本方針と具体施策および実装の要点 ⒈ 時間価値設計の必要性と課題の本質 現代の都市開発において、「時間価値の最大化」は不可欠な視点となっています。 従来の都市は、面積と賃料を基盤に成立しており、「どれだけの床を持つか」が価値の中心でした。しかし現在では、同じ空間であっても利用される時間帯によって価値が

 
 
 
方針1:来街動機の創出 非デベ街づくり ⑥

【内容】 ⒈ 来街動機創出の必要性と課題の本質 ⒉ 来街動機の設計思想と構造モデル ⒊ 基本方針と具体施策および評価の視点 ⒈ 来街動機創出の必要性と課題の本質 現代の都市開発において、「来街動機の創出」は最も重要なテーマの一つです。 その背景には、従来の空間供給型モデルの限界があります。商業施設やオフィス、住宅といった空間を整備するだけでは、人は集まらなくなっています。 供給過多と選

 
 
 

コメント


bottom of page