先の例にあるように授業を受けるという行為だけであれば、Web授業の方が効率は良いかも知れません。それではリアルな大学の価値はとは何でしょうか? 私は以下の3つの要素を挙げたいと思います。
共に学ぶ場:「情報」を論理的/非論理的及び視覚的/非視覚的の縦横2軸で四象限に整理すると、Web授業で対応できるのは論理的かつ視覚的の1/4部分だけだという事がわかります。人と人との交流を通じて進化していくプロセスにおいて、Web授業だけでは賄えない残りの3/4の領域を補完する環境が必要です。中・長期の探究スタンスを含めて知的好奇心を共有する仲間が競い合ったり、励ましあったりできる「共に学ぶ場」がリアルの大学にはあるのです。
人間関係形成の場:①とは対称的になるかも知れませんが、非目的型の交流の場も大学の魅力と言えます。社会人とは違い利害関係の薄い人たちが、国内外から広く集い、場を共有することによるカジュアル・コリジョン機会が、リアル大学の大きな価値ではないでしょうか。人生において最も充実した「人間関係形成の場」だと考えます。
トライアルの場:さらに最も好奇心と新規性に富む学生コミュニティが挙げられます。加えて大学だからこそ失敗しても許されるのです。このフレッシュなコミュニティを活用した「様々なトライアルの場」としても重要だと考えます。
いずれもオンラインでは、なかなか提供できないサービスです。リアルな大学価値向上に向けたリソース再編には、これらの3要素を重ね合わせていくことが重要です。次節ではこれらを重ね合わせたイメージを考察します。
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