top of page
検索
  • 執筆者の写真松岡 一久

エリアマネジメントのゴールは?

先日、FIACSの分科会でエリアマネジメントに関する事業化検討を議論する機会がありました。


最近の複合都市開発ではほとんど必須条件になっているエリアマネジメント活動ですが、アメリカのようにBID制度で資金が得られる訳でもなく、財源も出口も見えないまま先細りしていく活動が大半ではないでしょうか?オープンカフェなどのイベント収入や屋外広告収入などでは人件費も賄えないのが実情です。

そんな中で保井美樹先生が指摘されたのは「初期活動を通じて地域の機運が醸成してネタ出し」がされた上で「公共空間における超・規制緩和を目標にすべき」ということでした。

一時利用ではなく占用使用権を獲得して道路内建築を建てるとか、場合によっては廃道して事業化するとかの「超・規制緩和」を目指す訳です。

そのためにもエリマネ組織が責任を持てる体制になる必要があります。

個人や法人があるように「街人」化が必要です。

法人格と同様に「街人格」を持った組織が街に対する責任を負った上で、投資や行政協議を重ねながら事業展開していくのです。

さらにスポーツ・健康、音楽、ファッション、デザインなどのテーマ化しての個性の獲得や交流、それらの理念の見える化としてのキャラクター展開などの知財運営などを総合的に推進する活動として考える必要がありそうです。

エリアマネジメントとは街と連携して活性化を図る街づくり「活動(=ボランティア)」ではなく、街をリソースにして「街人化」した上で総合的に価値創造を図っていく経営スキルとノウハウが必要な「事業(=ビジネス)であると言い換えることができそうです。

非常に興味深い検討会でした。


最新記事

すべて表示

コミュニティの特性・構造 共創から競創へ ③

【内容】 コミュニティづくりのポイント コミュニティの事業構造 継続の仕組み 1.コミュニティづくりのポイント 成熟ニッポンにおいては、ビジネス的にもメリットの多い「コミュニティ」ですが、主体的に運営するにはどのようなポイントがあるのでしょうか。 コミュニティ・マーケティングでは下記のような留意点が挙げられています。 初めは少人数でスタート コミュニティの目的をはっきりさせる。 参加者に当事者意識

コミュニティの有効性 共創から競創へ ②

【内容】 成熟社会におけるモチベーション 「私たちごと」づくりの必要性 コミュニティをつくるビジネスメリット 1.成熟社会におけるモチベーション コミュニティの有効性について、主にビジネス視点から整理します。 成熟ニッポンは、「失われた30年」と揶揄され、GDPは560兆円辺りを推移し、デフレが続き、給料も上がらない状況です。 高度成長期のように「3種の神器」やマイホームを買うために、モーレツに働

「コミュニティ」への期待 「共創」から「競創」へ ①

【内容】 「コミュニティ」の現在地 「コミュニティ」の変遷 「コミュニティ」ニーズの背景 1.「コミュニティ」の現在地 「コミュニティ」という言葉が、氾濫しています。 「地域」コミュニティ、「ファン」コミュニティ、「オンライン」コミュニティ、「コミュニティ」マーケティングetc. 本来は「特定地域の住民による相互扶助集団」を表す言葉として使用されていましたが、地域を超え、リアル空間を超えて使用され

bottom of page