top of page
検索

防災まちづくりの課題 防災まちづくり ⑤

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2023年11月8日
  • 読了時間: 3分

【内容】

1.自己判断の難しさ

2.他人への支援の難しさ

3.防災コストの難しさ


シン防災まちづくりを検討するにあたっては、防災施設を建造などのハード要件ではなく、ソフト要件を重視します。

そして防災時のステップである、①発災時②避難生活時③復興時への対応では、①発災時の避難対応に重点を置いて検討したいと考えます。

この前提の元で、シン防災まちづくりの課題を整理します。


1.自己判断の難しさ

発災時に一番大切なことは、「自助:共助:公助=7:2:1」と言う阪神淡路大震災の事例を踏まえて、「自分の命は、自分で守る」という意識が原則になります。

政府も「住民による自主避難の支援が、自治体の役割である」と、避難の判断の主体を、行政から住民に転換することを明示しています。

この「自主避難=自分で判断する」ことは、現代の日本人が最も苦手にしていることではないでしょうか。

多くの人が、「自らの免責」と「他者への帰責」を求めるような風潮で、先ほどの「自助・共助・公助」の定義でさえ、お互いに責任転嫁する材料に、されてしまっているのが実情です。


2.他人への支援の難しさ

電車でお年寄りなどに席を譲るような場面で、「断られたらどうしよう」と言う意識で、躊躇してしまうことは、日本人なら誰でも経験があります。

「要支援者」に対して、どのように声がけし、手を差し伸べるのか?も課題です。

地域における「要支援者」の名簿についても、身体障害者は登録されても、知的障害者が漏れていたり、65歳以上の単身世帯は、一律で記載されていたりという「精度の過不足」が指摘されています。

また「個人情報」を所持することの責任を恐れ、要支援者名簿の受け取りを拒否する自主防災組織もあるといいます。

「助け合い」は近所が基本で、近所でできないことを、地域全体で支えてもらう事になります。

今後ますます少子高齢化が進むことを前提にすると、要支援者に声がけすること、担い手不足への対応、近所付き合いの希薄化への対応が課題と言えます。


3.防災コストの難しさ

「少子高齢化」や「環境問題」を例でも明らかですが、人間は目の前で顕在化している事象には対処しても、将来起こるであろう事象を予測して、予め準備することには、極めて消極的で先送りしてしまいます。

健康まちづくりを検討する際に、専門家から「日本人は、健康管理に直接投資することを嫌う傾向にある」とコメントされました。

「健康を目的にするのではなく、いつの間にか健康になっていた状況が望ましい」と言う事です。

事業者目線では、BCPなど継続性を担保するための措置を講じますが、日常生活感覚では、防災まちづくりに対しても、「賢明な決断」を前提にするのではなく、「いつの間にか防災活動になっていた状況づくり」が必要なようです

防災の仕組みの生活実装が課題です。


このような課題に対応するための方策を検討していきたいと考えます。


 
 
 

最新記事

すべて表示
日本バリュー化の効果 日本バリュー都市 ⑩

【内容】 第1章 都市の魅力の可視化と差別化効果 第2章 エンゲージメントと関係人口の拡大効果 第3章 持続的な収益化とデータ循環による進化効果   第1章 都市の魅力の可視化と差別化効果 ブランド価値化の第一に期待できる効果は、都市の魅力が多層的に可視化され、他都市との差別化が明確になる点です。 従来の都市開発では、商業施設や交通利便性といった「機能の充実」が重視されてきましたが、それだけでは長

 
 
 
方策3:“モノより体験”の事業モデル化+データ循環 日本バリュー都市 ⑨

【内容】 第1章 都市開発における「体験価値」へのシフト 第2章 事業モデルと具体施策 第3章 KPIとデータ循環による持続性   第1章 都市開発における「体験価値」へのシフト 近年の都市開発や観光戦略においては、「モノ」中心の消費から「体験」中心の価値提供へと大きく軸足が移りつつあります。 背景には、内閣官房が示した「New Cool Japan Strategy 2024」が掲げる「モノより

 
 
 
方策2:“共体験”ドリブンのプログラム設計 日本バリュー都市 ⑧

【内容】 第1章 都市における「共体験」の意義 第2章 プログラム設計の具体像 第3章 都市に埋め込まれる導線と効果   第1章 都市における「共体験」の意義 現代の都市は、多様な文化や人々が集まり交差する舞台でありながら、その交流が十分に深まらないまま通過的に終わってしまう場面が少なくありません。 商業施設や観光資源は整っていても、それを通じて「人と人が一緒に体験する時間」をどう生み出すかが、都

 
 
 

コメント


bottom of page