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「健康」を取り巻く環境 健康経営ビル ②

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2024年5月17日
  • 読了時間: 4分

【内容】

  1. 健康日本21の試み

  2. 健康に関するデータ・エビデンスの提供

  3. 「健康経営」と言う知恵

 

 

1.健康日本21の試み

健康づくりに関する国の動きは、まず厚労省から始まりました。

2000年に入り、厚労省が、「21世紀における国民健康づくり運動(通称:健康日本21)」を策定しました。

これは、急速な高齢化の進行と、痴呆や寝たきりになる人たちの増加を予想して、「介護保険制度」のスタートに合わせて作られた、国民健康づくり運動の施策です。

医療・介護費を抑制するためにも、「国民みんなで、一日当たりの歩行数を1000歩増やそう」と言う試みでした。

「健康日本21」は、2000〜2012第一次、2013〜2022第二次と継続していくのですが、生活習慣病の予防を目的として、早期発見・早期治療などの二次予防だけでなく、疾病の発生を防ぐ、一次予防での生活習慣の改善に重点を置くものになっています。

この中には、身体活動・運動、休養・心の健康づくりなどの数値目標も、掲げられています。

  1. 日常生活歩数を1日あたり1200―1500歩増やす

  2. 運動習慣者数を10%増やす

  3. 住民が運動しやすい街づくり

これらを元に、都道府県や各市町村レベルでも具体策の策定が要請され、計画されています。

 

2.健康に関するデータ・エビデンスの提供

その他にも様々なガイドラインやエビデンスも提供されて来ました。

先日も厚労省が「健康づくりのための身体活動・運動ガイドライン2023」を発表しました。

成人は「1日60分(約8千歩)以上」、高齢者は「1日40分(約4千歩)以上」が推奨され、腕立て伏せやスクワット、マシンアドの負荷のかかる筋力トレーニングは、成人・高齢者ともに「週2〜3回」実施することで、死亡や心血管疾患、癌、糖尿病などのリスクが、10―17%低くなると言う報告を添えています。

ところが、このような施策にも関わらず、20年の活動を経て、「むしろ減少してしまっている」と言う状況です。

千葉大学予防医療センター教授の近藤克則氏によると、「人間(日本人)は、健康に対する正しいデータを得ただけでは、動かない事が明らかになった」と言うことです。

この結果を踏まえて「第三次:健康日本21」では、「自然に健康になる環境づくり」の大切さが盛り込まれるようになっています。

これまで「健康に良い」程度だった効用が、さまざまな計測データと研究報告から、「1歩当たり〇〇円の医療費用抑制効果がある」と言う「原単位」の推計まで、されるようになっています。

それでも、一部の健康関心層以外には、なかなか普及していないという事が実情のようです。

そんな中、企業経営のスタンダードとして、着実に普及してきたのが、「健康経営」と言う視点で、健康関連施策としては、異例の浸透度だと言えます。

 

3.「健康経営」と言う知恵

「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会(理事長:岡田邦夫)が提唱する概念で、「健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」と定義されています。

企業が検診やストレスチェックを行い、労働時間や休暇日数を見直すと共に、健康教育や健康増進の機会を提供するなど、ソフト・ハードにわたる経営環境を整えることで、従業員の健康を維持・向上を図ろうと言うものです。

経産省は、「健康経営」を後押しする施策として、優良な法人を「見える化」する仕組みを考案しました。

従業員や求職者、関係企業、金融機関などからの「社会的評価」を受けることができる環境整備を行うため、「健康経営優良法人認定制度」を設立したのです。

健全な職場環境の認証制度として定着し、人手不足社会における雇用確保の必要条件として認識されています。

2023年現在で、大規模法人:2676社、中小規模法人:14012社が認定されています。

さらに、経産省と東京証券取引所が共同で、「健康経営銘柄」と言う顕彰制度を設けています。

これは東証の上場企業の中から。健康経営に特に優れた企業を選定し、長期的な企業価値の向上を重視する投資家にとって、魅力ある企業として紹介する制度といえます。

「健康経営銘柄2023」として49社が選定されています。

「健康経営」の優れたところは、健康管理の責任を「個人から法人」に移したところで、自己責任では先延ばしにしがちな健康に対する意識を、企業ぐるみで向上させることに成功しています。

 
 
 

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