top of page
検索

コリビングとは何か? コリビング ②

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 3月14日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. ホテルとマンションとの中間領域の可能性

  2. コリビングとシェアハウスとの違い

  3. コワーキングスペースの充実

 

 

1.ホテルとマンションとの中間領域の可能性

コリビングの特性を明らかにするために、ホテルとマンションとの違いから整理していきましょう。

まずホテルですが、数日単位の短期滞在を対象にしており、家具・家電付きで、清掃をはじめとした生活支援サービスが付帯しています。

一方のマンションは、数年単位の長期滞在を対象にしており、家具・家電は自分で購入し、清掃などの生活支援サービスもありません。

近年はこのホテルとマンションの中間領域を、埋める「ステイホテル」や「サービスアパートメント」など、様々な滞在スタイルが現れています。

まず「ステイホテル」は研修などの数週間単位の中期滞在を対象にしており、ホテルの家具・家電に加えて、キッチンやランドリーなどが準備されており、自炊も可能になっています。基本的にはホテル型の運営ですが、清掃サービスなどの実施頻度が少なくなっています。

次に「サービスアパートメント」は「マンスリーマンション」とも呼ばれ、数ヶ月単位の中期滞在に対応し、「ステイホテル」同様に家具・家電、キッチン・ランドリーが整備されています。

こちらは賃貸住宅型の運営で生活支援サービスは対応していません。

「コリビング」は、この「ステイホテル」と「サービスアパートメント」の間に位置する滞在スタイルと言えます。

「コリビング」の個室には、ホテルと同様に家具・家電が用意され、共用施設として、キッチン、リビング、コワーキングスペース、ランドリーなどが整備されています。

 

2.コリビングとシェアハウスとの違い

コリビングとよく似た滞在スタイルにシェアハウスがあります。

それぞれプライベート用の個室を持ち、リビングやキッチンを共用で利用する点などは似ています。

シェアハウスは、一般家屋をリノベーションして利用される事が多く、トイレや浴室まで共有になっている事が殆どです。

ですから個室で生活を完結されることができませんし、個室への動線もリビングなどを通るため、住人同士の「濃密な付き合い」が前提になっています。

これに対して、コリビングの場合は、個室に寝室・トイレ・洗面・シャワーなど最低限のプライベート生活機能が確保されています。

またマンションの様な構成のため、個室への導線も共用のリビングやキッチンとは独立しており、「選択できる」という仕組みになっています。

いつも共同で生活しなければならない状況の「シェアハウス」とは異なり、一人で居たいときには個室に篭り、一緒に居たい時にはリビングやキッチンを共用出来るという「程よい距離感(=隣人関係)」を確保できるのが「コリビング」の魅力です。

 

3.コワーキングスペースの充実

コワーキングスペースを充実させている点もコリビングの特徴です。

「働けて遊べて住める」というシン・アーバンライフスタイルを実現するためには、単に仲間と住むだけではなく、「社会との接点」が重要で、その主役としてコワーキングスペースが重視されています。

その意味で、コワーキングスペース部分は、外部からの来客やコミュニティイベント利用など、外部からの来館者にも対応できる配置と運営体制が必要になります。

コワーキングスペースを中心とした「コミュニティの質」が、コリビングの価値を決定づけると言えるのではないでしょうか?

 
 
 

最新記事

すべて表示
共体験の定義 共体験デザイン ②

【内容】 第1章 「共体験」とは何か 第2章 都市開発における共体験の広がり 第3章 都市開発での実践方法   第1章 「共体験」とは何か 「共体験(Co-experience)」とは、複数の人が同じ時間や場所で体験を分かち合い、その中で互いに感情や意味を育てていくことを指します。 例えば、一人で食事をするのと、友人や家族と一緒に食事をするのとでは、同じ料理でも感じ方が違います。 それは、周りの人

 
 
 
今なぜ 共体験なのか? 共体験デザイン ①

【内容】 第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 第2章 経済的・技術的背景からみる共体験デザインの価値 第3章 多様性・実務性を踏まえた都市開発の新たなインフラ     第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 現代の都市は、人の数こそ多いものの、匿名性が強まり個人は孤立しがちです。 都市生活者の多くは、道を行き交う群衆の中で互いに接触することなく、ただ通過していく日常を過ごしてい

 
 
 
AI共創オフィスが拓く未来 ─ 人とAIが“共に働く”社会のビジョン AI共創オフィス ⑩

【内容】 第1章:オフィスの役割は「作業場」から「意味場」へ 第2章:企業文化が“見えないOS”として浮上する 第3章:本社とサテライトの分担による「立体的オフィス戦略」     第1章:オフィスの役割は「作業場」から「意味場」へ かつてオフィスは、社員が集まり、情報をやり取りしながら仕事を進める「作業の場」でした。しかし、AIが高度に発達し、検索・提案・要約・意思決定の一部を代替するようになった

 
 
 

コメント


bottom of page