top of page
検索
  • 執筆者の写真admin

サードプレイスの分類:日本型サードプレイスの提案 ④

【内容】

A:交流型サードプレイス

B:マイプレイス型サードプレイス

C:価値共有型サードプレイス




サードプレイスの分類では、本来オルデンバーグが示した「A:交流型」と、日本での主流となっている、一人または数人で静かに自分の時間を過ごすために、活用される居場所タイプ

「B:マイ・スペース型」の2種類への分類が一般的です。

ここでは、より現代の日本社会に対応させるため、特定の目的や意味を共有する「C:価値共有型」を加えた3つに整理します。


A:交流型サードプレイス

  1. 対面の交流場: オルデンバーグが想定した本来のサードプレイスで、初期のスターバックス・コーヒーに見られたスタイルです。面と向かった会話による交流に、積極的でない日本では、クラブやフェスなどの異空間でだけ、見られる交流風景かもしれません。

  2. 紹介型の交流場:日本においてはスナックやカウンター居酒屋など、飲食を伴う交流スペースが、このタイプに該当します。


B:マイ・スペース型サードプレイス

  1. 自分の居場所:現在のスターバックスジャパンやルノアールをはじめ、日本のほとんどの喫茶店・カフェがこれに該当します。

  2. 知的な居場所:本などの知的ツールを媒介として、自分の居場所化するもので、新しいスタイルと言えます。ビジネス対応の図書館や蔦屋書店、コワーキングスペースなどが該当します。


C:価値共有型サードプレイス

  1. カルチャー共有:ハーレーダビッドソン・カフェやランニングステーション、サウナなど、趣味や関心事をテーマにした交流の場です。クラブツーリズムや一部の美術館(京都市京セラ美術館、金沢21世紀美術館)など、文化やアートを共有する機会や環境も、これに当たります。

  2. 地域課題共有:子ども食堂や子育てカフェ、福祉カフェ、コミュニティカフェなど、共通の課題に向けて、関心を持つ人同士の交流の場としてのサードプレイスが想定されます。


この様な分類によって、各サードプレイスにおいて求められる提供価値が、明確になるのではないでしょうか。

その提供価値の純度が、市場性につながると想定されます。

因みに、物理的要因として「居心地の良さ」を確保すれば、社会志向と個人志向とは共存が可能だと言われています。その上で時間の経過とともに、個人志向は、次第に社会志向にシフトしていくという実験結果も得られています。

最新記事

すべて表示

アウトプット戦略 共創から競創へ ⑦

【内容】 継続発信の仕組みづくり 方策A:街コンテンツの「リーグ戦」見立て 方策B:街コンテンツの「大学」見立て 1.継続発信の仕組みづくり 「磨き上げた」街の個性、強みを発信する際にも「原則」があります。 それは「オンライン上のコンテンツ発信」で評価されることを前提にすべきだと言うことです。 野球が「試合」と言う一定ルールの中で、様々なプレイを評価するように、都市は「オンライン上でのコンテンツ発

インプット方策 共創から競創へ ⑥

【内容】 街の魅力の「磨き上げ」 磨き上げのための【(1/100)の3乗戦略】 「場所性」×「体験性」×「演出」で磨き上げる 1.街の魅力の「磨き上げ」の必要性 これまでの考察から、まちづくりのゴールは、「サードプレイスとしての魅力化」だと考えます。 街づくりとは、住む人が多い街ではなく、働く人が多い街でもなく、「わざわざ繰り返し街を訪れる人(=街のファン)が多い街【サードプレイス・タウン】づくり

エリマネの可能性と課題 共創から競創へ ⑤

【内容】 まちづくりとエリアマネジメント エリアマネジメントの課題 エリアマネジメントの進化の必要性 1.まちづくりとエリアマネジメント 2000年頃から街の活性化の切り札としてエリアマネジメント(以下エリマネ)という考え方が積極的に導入されるようになりました。 国交省の「エリアマネジメントのすすめ」によると、「地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者などに

bottom of page