top of page
検索

シェアオフィスの課題 シン・シェアオフィス ⑤

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2024年7月26日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. シェアオフィスの事業構造

  2. シェアオフィスの事業者特性

  3. シン・シェアオフィスの存在価値

 

1.シェアオフィスの事業構造

シェアオフィスの事業構造を整理してみます。

シェアオフィスは、従来のオフィスフロアを小割りにして、会議室などの共用スペースを設けて、転貸する事業モデルです。

ですから低下した通路分や会議室分のレンタブル比分を、元のオフィス賃料に上乗せして転貸料金を設定していく必要があります。

また、ワークスペースのデスクに加えて、コピー・プリンターなどのIT機器をあらかじめ用意されていますし、光熱費や通信費や、受付などの人件費が、基本料金に含まれた料金設定になっています。

ですからシェアオフィスの個室を借りた場合の、坪当たりの賃料単価は、その立地に立つ通常オフィス賃料の3倍程度に設定する必要があると言われます。

月坪3万円程度の都市部のビジネスエリアでは、10万円を超える単価になります。

フリーランスや小規模事業者であれば、オフィスの内装工事や家具什器などの初期投資、人件費や光熱費などの諸経費を含めた総額と考えれば、コストを抑えられ部分がメリットになります。

一方で、一定規模以上の事業者にとっては、暫定的なプロジェクト利用や、従業員が増えて常に広い部屋への引越しが必要な場合でなければ、シェアオフィスは割高に見えてしまうのでは無いでしょうか。

フリーデスクの場合でも、一坪あたり一席の計算で、席数の2倍程度のメンバー数でないと、混雑してデスクが確保できず、満足度が下がって退会してしまうと言われています。

シェアオフィス事業は、それほど利益率の高い事業構造ではないという事です。

 

2.シェアオフィスの事業者特性

シェアオフィス事業が、単体では利益率が高くないということは、事業スケールを求める「企業」からすると、多店舗展開を図る必要があるということになります。

広義のシェアオフィス業界という視点で見ると、無人個室オフィスではZXY (ジザイ:200拠点以上)、 H1T(直営150拠点)などが多店舗ネットワークを形成しています。

利便立地にネットワークを築くという戦略では、資本力による競争になってしまいますので、今後は駅に個室ブースを展開する鉄道会社を交えて、「連携・統合」が進んでいくのではないでしょうか。

一方で、人的なサービスを差別化ポイントにする分野では、リージャス(国内170拠点)やサーブコープ(国内30拠点)などの老舗企業に対して、 We Work (国内40拠点)、ビジネスエアポート(国内20拠点)などの新興企業があります。

こちらは高付加価値を提供することで、客単価の向上を図ろうとしていますが、受付などのホスピタリティだけでは、マーケットも限られるため成長にも限界が流のではないでしょうか。

 

3.シン・シェアオフィスの存在価値

シェアオフィス事業は、単体の事業性に高くない中で、拠点数の拡大にも客単価の向上にも、限界があるビジネスだという事が前提になります。

ですから事業として成立させるには、公共施設と同様に元のオフィス賃料を低く抑えていく必要があるということになります。

次世代のシェアオフィス(シン・シェアオフィス)を検討するには、そのシェアオフィスの存在が、ビル開発全体にどのように貢献できるのか?どのような価値提供が可能なのか?が問われているのだと考えます。

 
 
 

最新記事

すべて表示
漫画立国論 ③

漫画の“効き方”と日本の感性 ―― 美意識・コミュニケーション様式との親和性 ――   【内容】 第1章 マンガは「余白を読む社会OS」です 第2章 マンガは「うまくいかない日常」を処理します 第3章 マンガという社会OSが果たす現代的役割     第1章 マンガは「余白を読む社会OS」です 日本の文化には、すべてを説明しきらず、決めつけないことを良しとする感性があります。 建築や庭園、芸能、会話

 
 
 
マンガの定義:漫画立国論 ②

【内容】 第1章 マンガは日本社会が育ててきた「感情処理の技術」です 第2章 マンガは「描かれる価値」を社会に広げてきました 第3章 マンガという社会OSの定義     第1章 マンガは日本社会が育ててきた「感情処理の技術」です 「マンガ」というと娯楽や産業を思い浮かべがちですが、ここではもう一段深い定義が必要です。 マンガとは、人々の実生活や感情、言葉にしづらい違和感を、連続する視覚表現によって

 
 
 
なぜ今、マンガという社会 OSが必要なのか 漫画立国論 ①

【内容】 第1章 社会は「説明できない苦しさ」を処理できなくなっています 第2章 マンガは「主張しない公共言語」です 第3章 マンガという社会OSを持つという選択     第1章 社会は「説明できない苦しさ」を処理できなくなっています いまの社会には、かつてとは質の異なる苦しさが広がっています。 失業率や所得のように数字で示せず、制度や責任論でも整理できない、「うまく言葉にできない生きづらさ」と言

 
 
 

コメント


bottom of page