top of page
検索

ニッポン・シアター⑧ ハイブリッド公演シアター

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2022年3月18日
  • 読了時間: 2分

ライブ・エンタメ市場が急落した反面、2020年度の有料型オンラインライブ市場は448億円(ぴあ総研)と急拡大しています。韓国の Beyond ライブを皮切りに、著名アーティストにより各地で開催された「オンライン有料ライブ」ですが、まだまだ試行錯誤の部分はあるものの、収益性を含めて新しい事業の可能性を感じさせます。(iU学長 中村伊知哉氏) 東新宿で復活した「日清パワーステーション REBOOT」は、無観客配信専門ライブハウスとして進化を遂げ、投げ銭システムのウルトラチアーなどが施されています。今後はさらにレベルの高いインタラクション体験や臨場感の演出・工夫が生まれそうです。次世代のエンタメ機能を想定すると、オンライン公演とリアル公演とを組み合わせた、ハイブリッド公演に可能性を感じます。低料金で気軽にどこからでも視聴できるマス対応(数千円の公演視聴料)のオンライン公演と、パフォーマンス前後にアーティストと間近での対話やフォトセッションなど、希少性のあるプレミアム体験(〜数十万円の入場料)を付加した、リアル公演とを組み合わせた「ハイブリッド公演」です。分野は異なりますが世界配信され、スーパープレゼンテーションとして有名な「TED カンファレンス」の参加料金は、年々上昇し近年では100万円を超えています。単にリアル講演を間近で観られるだけでなく、アフタートークの身近なやり取りや、様々な関連体験会・交流イベントなどがインセンティブになっているようです。

音楽、演劇、アート、教育などほとんどのエンタメ(コンテンツ)機能は顧客(ファン、生徒)と継続的な関係を保っています。この関係性をオンライン上でのリレーションとして強化していくことが、今後は一層重要になると考えます。ファンはオンラインだからこそ、時間や場所の制約なしに準備体験を蓄積していけます。提供側はオンラインだから可能なコンテンツ(例えば普段は見ることのできないステージバックや制作プロセス)や、キャスティング(例えば移動時間の制約がなく自由度高く出演して貰える著名人)によって、予行演習効果が考えられます。事前のオンライン・リレーションにより、ファンはコンテンツへの理解を深め・洗練され(=客単価アップ)、リアル体験への期待を高めていく構造です。

 
 
 

最新記事

すべて表示
漫画立国論 ③

漫画の“効き方”と日本の感性 ―― 美意識・コミュニケーション様式との親和性 ――   【内容】 第1章 マンガは「余白を読む社会OS」です 第2章 マンガは「うまくいかない日常」を処理します 第3章 マンガという社会OSが果たす現代的役割     第1章 マンガは「余白を読む社会OS」です 日本の文化には、すべてを説明しきらず、決めつけないことを良しとする感性があります。 建築や庭園、芸能、会話

 
 
 
マンガの定義:漫画立国論 ②

【内容】 第1章 マンガは日本社会が育ててきた「感情処理の技術」です 第2章 マンガは「描かれる価値」を社会に広げてきました 第3章 マンガという社会OSの定義     第1章 マンガは日本社会が育ててきた「感情処理の技術」です 「マンガ」というと娯楽や産業を思い浮かべがちですが、ここではもう一段深い定義が必要です。 マンガとは、人々の実生活や感情、言葉にしづらい違和感を、連続する視覚表現によって

 
 
 
なぜ今、マンガという社会 OSが必要なのか 漫画立国論 ①

【内容】 第1章 社会は「説明できない苦しさ」を処理できなくなっています 第2章 マンガは「主張しない公共言語」です 第3章 マンガという社会OSを持つという選択     第1章 社会は「説明できない苦しさ」を処理できなくなっています いまの社会には、かつてとは質の異なる苦しさが広がっています。 失業率や所得のように数字で示せず、制度や責任論でも整理できない、「うまく言葉にできない生きづらさ」と言

 
 
 

コメント


bottom of page