top of page
検索

不動産業とは 多次元開発 ②

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2024年10月4日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 不動産業の定義

  2. 不動産業の市場規模と経済効果

  3. 不動産業の展望

 

 

1.不動産業の定義

不動産業とはその名の通り、「不動産を扱っている事業者」を指し、4つの職種に大別されます。

  1. 不動産売買:不動産を購入したり、消費者に直接販売します。

  2. 不動産仲介:不動産を売りたい人、購入したい人を探しマッチングさせます。

  3. 不動産管理:賃貸マンション、ビル、土地などを管理します。

  4. 不動産賃貸:不動産を所有し、貸し出すオーナーや大家を指します。

不動産業には3つの流れがあります。

  1. ディベロッパー(開発):土地を仕入れ、建設会社と協業し、ビルやマンション、商業施設などを建設し、販売もしくは貸し出す業態です。莫大な資金力が必要なため、財別系を中心とした大企業が活躍しています。

  2. 売買・賃貸仲介業者(流通):不動産の売り手(貸主)と買い手(借主)とを結びつけ、仲介手数料を得る仕事です。仕入れの人ようがなく小資本で参入可能なため、競合が多い業界です。

  3. 管理会社:土地や建物の管理を行うことで、報酬を得ています。安定した売り上げにつながりますが、大幅な収入は見込めないため、仲介などを兼ねる場合が多いようです。

因みによく混同される「宅建業」との違いを整理すると、「上記の4職種すべてに対応するのが、不動産会社」で、主に「販売・仲介するのは、宅建業者」と区別できます。

本シリーズでは、川上事業者として開発を担い、流通や管理などの川下分野に影響力のある「ディベロッパー」を対象に検討していきます。

 

2.不動産業の市場規模と経済効果

国土交通白書2023によると、市場規模は46兆2,682億円となり、直近5年間は45兆円前後で堅調な推移を示しています。

不動産業は、全産業の売上高の3.4%,法人数の12.8%を占めています。

不動産事業者は全国に34万社あると言われ、上記の売上と法人数の割合が示している通り、流通(宅建)分野を中心に中小事業者が非常に多い業種です。

新築住宅の着工数は増加傾向にあり、

国交省が発表した「建築着工統計調査報告」では、2022年の新設住宅着工戸数は、85万9529戸で、2年連続で増加しています。

不動産業の単独での市場規模は45兆円前後となっていますが、建設業への波及効果や企業誘致に伴う産業活性化など、都市にとって非常に幅広い経済効果を及ぼす産業といえます。

しかしマクロ視点では、少子高齢化と人口減少による市場規模の縮小が懸念されます。

また地方における「空き家」問題も深刻で、国交省の「空き家政策の現状と課題及び検討の方向性」によれば、2025年約420万戸、2030年約470万戸になると予想されています。

 

3.不動産業の展望

国交省がまとめた「不動産業ビジョン2030」によると、不動産業の将来像として、下記の3点が掲げられています。

  1. 豊かな住生活を支える産業:良質な住宅の供給や、ライフステージに合わせた円滑な住み替え、さらに試算価値維持によって、人々の生活基盤を支えることが求められています。

  2. 我が国の持続的成長を支える産業:オフィスや製造・物流拠点、お照屋リゾート施設、商業施設の供給や維持管理によって、国内外からヒト・カネ・情報を呼び込むこと、さらに新たな価値やイノベーションの創出を促すことが期待されています。

  3. 人々の交流の「場」を支える産業:人口減少や少子高齢化の中でも、人との交流促進や、街に賑わいを生み出すための「場」づくりが期待されています。

これらの将来像の実現に向けて、交通や他業種との連携による「トータルサービスの提供」が言及されています。

時代の要請や地域のニーズを踏まえた「価値創造の最大化【不動産最適活用】」の実現が求められています。

生活や他業種の活動を支える「プラットフォーム」である、という認識が必要ではないでしょうか。

 
 
 

最新記事

すべて表示
共体験の定義 共体験デザイン ②

【内容】 第1章 「共体験」とは何か 第2章 都市開発における共体験の広がり 第3章 都市開発での実践方法   第1章 「共体験」とは何か 「共体験(Co-experience)」とは、複数の人が同じ時間や場所で体験を分かち合い、その中で互いに感情や意味を育てていくことを指します。 例えば、一人で食事をするのと、友人や家族と一緒に食事をするのとでは、同じ料理でも感じ方が違います。 それは、周りの人

 
 
 
今なぜ 共体験なのか? 共体験デザイン ①

【内容】 第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 第2章 経済的・技術的背景からみる共体験デザインの価値 第3章 多様性・実務性を踏まえた都市開発の新たなインフラ     第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 現代の都市は、人の数こそ多いものの、匿名性が強まり個人は孤立しがちです。 都市生活者の多くは、道を行き交う群衆の中で互いに接触することなく、ただ通過していく日常を過ごしてい

 
 
 
AI共創オフィスが拓く未来 ─ 人とAIが“共に働く”社会のビジョン AI共創オフィス ⑩

【内容】 第1章:オフィスの役割は「作業場」から「意味場」へ 第2章:企業文化が“見えないOS”として浮上する 第3章:本社とサテライトの分担による「立体的オフィス戦略」     第1章:オフィスの役割は「作業場」から「意味場」へ かつてオフィスは、社員が集まり、情報をやり取りしながら仕事を進める「作業の場」でした。しかし、AIが高度に発達し、検索・提案・要約・意思決定の一部を代替するようになった

 
 
 

コメント


bottom of page