今なぜ 非デベまちづくりなのか? 非デベ街づくり ①
- admin
- 6 時間前
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【内容】
⒈ ディベロッパー主導モデルの限界と構造要因
⒉ 非ディベロッパー型まちづくりの成立と共通構造
⒊ 今後の都市開発の方向性と収益モデルの多層化
⒈ ディベロッパー主導モデルの限界と構造要因
現在、従来のディベロッパー主導型まちづくり、いわゆる「ディベ六モデル」は構造的な転換点を迎えています。
その背景には、コストと収益の両面からの圧力があります。まずコスト面では、建設費の高騰(資材・人件費)、長期金利の上昇、さらにはESG・脱炭素対応への投資増加により、初期投資は従来比で1.3〜1.5倍に膨らんでいます。
一方で収益面では、オフィス需要は量から質へと変化し、商業はEC化や体験化の進展により床効率が低下、住宅も所得との関係から賃料上昇に限界が見えています。
この結果、「床を貸せば回収できる」という前提は崩れ、賃料収益のみを前提としたビジネスモデルは成立しにくくなっています。
重要なのは、ディベロッパーそのものが機能不全に陥っているのではなく、「賃料依存型」という単一収益構造が限界に達しているという点です。
従来の延長線上での改善ではなく、収益構造そのものの再設計が求められていると言えます。
※ディベ六モデル:6つの収益源(分譲、賃料、管理、仲介、施設運営、資産売却)による空間を作り、貸し、売り、管理して稼ぐモデル
⒉ 非ディベロッパー型まちづくりの成立と共通構造
こうした状況の中で、企業や異業種が主導する新たなまちづくりモデルが既に成立し始めています。
これらの事例に共通するのは、「賃料以外で価値を回収している」という点です。
例えば、トヨタのウーブン・シティでは都市を技術実証の場とし、R&Dや人材採用といった企業価値の向上で投資を回収しています。藤沢SSTでは生活データを基盤としたサービス創出、柏の葉では産学官連携によるイノベーション創出が収益源となっています。
また、DeNAや楽天の取り組みでは、スポーツやエンターテインメントを核に来街動機を創出し、滞在時間を延ばすことで飲食や宿泊、イベント消費といった体験収益を生み出しています。
これらの事例は、都市の役割が単なる不動産供給から、価値創出のプラットフォームへと変化していることを示しています。
すなわち、都市は「床貸し装置」から「価値生成装置」へと転換しています。
投資対象は建物ではなく「都市OS」であり、その上で体験、関係、データといった多様な価値が生まれ、それが複数の収益源として回収される構造へと進化しています。
⒊ 今後の都市開発の方向性と収益モデルの多層化
今後の都市開発においては、収益構造の多層化が不可避となります。
賃料収益は依然として基盤ではあるものの、成長の主役ではありません。これに加えて、スポンサーや会員による「関係収益」、イベントや没入体験による「体験収益」、企業との共創や実証による「データ・共創収益」、さらには採用やブランド向上といった「企業価値回収」が重要な柱となります。
特に重要なのは、これらの収益が相互に連関しながら、都市全体の価値を高めていく点にあります。
このような変化を踏まえると、都市開発は大きく三つの類型に整理できます。
第一は賃料収益を補完する従来延長型、第二はスポーツや文化などのコンテンツを核とした滞在消費型、そして第三が、実証・共創・関係性を基盤とする「都市OS型」です。
この第三のモデルでは、不動産はあくまで基盤に過ぎず、その上でどのような関係性と価値を生み出せるかが競争力となります。
結論として、これからのまちづくりはディベロッパー単独の事業ではなく、企業、行政、生活者など多様な主体が関与する共創型へと移行していきます。
そして成功の鍵は、「床をどう埋めるか」ではなく、「どのような価値と関係性を設計し、持続的に生み出すか」にあると言えるのではないでしょうか。

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