top of page
検索

体験価値の没入型アップデート ライブミュージアム ⑧

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2024年8月28日
  • 読了時間: 3分

【内容】

1.ステージ型体験プログラムの限界

2.「蜷川実花展」の没入感

3.「没入志向」の体験プログラムの可能性



1.ステージ型体験プログラムの限界

ライブミュージアムの体験施設としては「楽器に触れることができる」や、アバ・ザ・ミュージアムのように、「5人目のメンバーとしてステージに立てる」プログラムが想定されます。

古賀政男音楽博物館でも、カラオケスタジオで「収録してCD制作できる」プログラムが有りました。

ただし、この手の体験プログラムに対して、日本人は「苦手意識」を持つのでではないでしょうか。

海外のライブレストランなどでも、パフォーマーから招かれると、ノリよくステージに上がって踊る欧米の客に対して、尻込みしてしまう日本人客を見かけます。

ステレオタイプ的かもしれませんが、日本人は「ステージの上でキメる」のではなく、「みんなと一緒にハマる」方が性に合っているのだと考えます。

この性向を踏まえた体験プログラムにしていかないと、利用性の低い施設になってしまいます。

実際 古賀政男音楽博物館のカラオケスタジオも、ほとんど利用者は見当たりませんでした。


2.「蜷川実花展」の没入感

虎ノ門ヒルズの高層部にある文化施設「TOKYO NODE」で、「蜷川実花展」が開催されました。

2023年末から約3ヶ月で25万人の観客を集めた展覧会で、「地上200mの桃源郷」をテーマに、写真だけでなく、映像インスタレーション、立体展示などで、光彩色の世界が広がっていました。

東京の夜景をバックにした映像インスタレーションのインパクトもさることながら、最も華やかなのが「蝶の舞う景色」エリアで、色とりどりの花の立体展示と蜷川氏によって撮影された庭園や公園の花壇に咲く花の写真とが、「迷宮の花園」を作り出していました。

鑑賞者はこの世には無い花園のソコココで、桃源郷にいる自分を写真に収め、 SNS発信していました。

日本人に向いた「体験プログラム」は、このような「没入型プログラム」では無いでしょうか?


3.没入志向の体験プログラムの可能性

蜷川実花展では、リアルな立体展示で、「没入体験」を演出しており、非常にコストが掛かっていそうでした。

しかし近年では、角川武蔵野ミュージアム内の「本棚劇場」のようにプロジェクションマッピングを駆使したり、床・壁・天井の360°映像による「イマーシブ・ミュージアム」のように、よりローコストで様々な演出をしている事例も出てきています。

没入体験のポイントは、その体験を SNS 発信できるかどうかにありますから、ライブミュージアムでの没入体験では、本物のライブや公演会場では難しいシーンが有効です。

ライブ会場の中の興奮だけでなく、ステージバックの風景や、ステージ上のアーティストが声援に反応してくれる、自分に向けたメッセージをくれるなど様々なシーンが想定可能です。

そんなリアルでは難しいオリジナルシーンを撮影して、SNS発信するような行動を積極的に演出してはどうでしょうか。

恥ずかしがり屋の日本人だからこそ、みんなと一緒にハマれる「没入志向」の体験プログラムが有効だと考えます。

 
 
 

最新記事

すべて表示
方策2:人生のアーカイブ 人生観都市 ⑧

【内容】 第1章 人生アーカイブ基盤構築の基本的考え方 第2章 社寺・退職世代を活かした具体的展開 第3章 都市に記憶を実装する社会的意義 第1章 人生アーカイブ基盤構築の基本的考え方 人生アーカイブ基盤の構築とは、人々の人生経験や地域の記憶を、都市全体で蓄積・共有・継承していくための仕組みを整備する取り組みです。 現代都市では、多くの人が豊かな経験や知識を持ちながら、それらが社会に残らないまま消

 
 
 
方策1:人生価値の拠点づくり 人生観都市 ⑦

【内容】 第1章 人生観拠点整備の基本的考え方 第2章 社寺・公共空間を活用した具体的展開 第3章 人生観拠点が生み出す都市価値 第1章 人生観拠点整備の基本的考え方 人生観拠点の重点整備とは、人々が「どう生きるか」「何を残すか」を考え、共有し、継承できる場所を都市の中に戦略的に整備する取り組みです。従来の都市開発は、商業、オフィス、住宅などの機能を効率的に配置することが中心でした。しかし成熟社会

 
 
 
基本方針 人生観都市 ⑥

【内容】 第1章 人生観都市実現に向けた論点整理 第2章 人生観都市を実装するための基本的視点 第3章 社寺・退職者を活かした3つの具体的方策 第1章 人生観都市実現に向けた論点整理 人生観都市を実現するためには、まず現代日本が抱える構造的課題を整理する必要があります。現在の都市は、高度経済成長期に形成された「効率」「生産」「消費」を重視する仕組みの上に成り立っています。その結果、都市は便利になっ

 
 
 

コメント


bottom of page