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体験性・リピート性の活用した商業展開 Jカルチャーコンプレクス ⑧

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:9 時間前

【内容】

  1. 体験価値の重要性と新たな商業施設の方向性

  2. マイナーチェンジ型展開によるリピート促進戦略

  3. Jカルコンにおける商業施設の展開モデル

 

 

1.体験価値の重要性と新たな商業施設の方向性

近年、Jカルコンの中核を成すのは、「体験価値」と「コレクション文化」の融合であると考えます。

特にアニメ・マンガIPにおいては、原画展示や映像演出などの"見る体験"にとどまらず、音声体験、テーマカフェ、五感を刺激する演出を通じて、より深い没入感を提供することが求められています。

例えば、2024年に開催された「鬼滅の刃 柱展@CREATIVE MUSEUM TOKYO」では、原画や映像展示に加え、音声体験やカフェ連動施策を組み合わせることで、わずか4か月間で20万人の来場者を記録しました。このように、「観る・聴く・体感する」複合的な体験設計が、ファンの感情を強く動かし、施設への来場動機を創出しているのです。

今後の商業施設は、単なるグッズ販売や原作展示だけでなく、IPの世界観を五感で体験できる空間づくり、さらに「何度も訪れたくなる仕掛け」が不可欠となります。

 

2.マイナーチェンジ型展開によるリピート促進戦略

JカルチャーIPにおける特徴的な展開手法のひとつに、「マイナーチェンジ型展開」があります。

これは、ファンが求める"違い"を繊細に設計し、繰り返し楽しめる仕組みをつくることを指します。

たとえば『呪術廻戦』では、衣装違い(制服・私服・浴衣・戦闘中破れ衣装)や、術式・フォーム差分(虎杖の宿儺モード、五条の六眼発動時など)、季節・イベント系(ハロウィン・クリスマスなど)によるマイナーチェンジが容易に設計できます。

これにより、「同じキャラだけれど違う」魅力を提供し、ファンの収集欲を刺激できるのです。

こうした仕掛けは『ガンダム』シリーズ(機体バリエーション)、『ウルトラマン』シリーズ(フォーム違い)、『初音ミク』(衣装バリエ)、『ポケモン』(地方・季節バージョン)といった成功例にも見られます。

これらに共通しているのは、「コレクションすること自体が正義である」という文化土壌に支えられている点といえます。

したがって施設展開においても「常設展示+期間限定マイナーチェンジ展示」を組み合わせることで、来場者に"次は何が見られるか"という期待感を持続させ、定期的な再訪を促す設計が非常に有効であると推測します。

 

3.Jカルコンにおける商業施設の展開モデル

これまでの考察を踏まえ、Jカルコンにおける商業施設展開モデルを提案します。

施設は大きく5つのエリアで構成されます。

  1. 常設館:原画・設定資料の没入展示

  2. マイナーチェンジ館:季節・イベントごとに変わる小型展示

  3. テーマカフェ:限定メニューとコラボ空間演出

  4. グッズショップ:その場限定商品・バリエグッズ販売

  5. コレクションルーム:ファン同士の交流・交換イベント開催

また、収益構造は①入場料収入、②物販売上、③飲食売上、④イベント課金、⑤オンライン展開(来場者限定EC販売)の5本柱を想定します。

特に、「来場者しか手に入れられない限定グッズ」や「リアルイベント連動型オンライン販売」を組み合わせることで、物理空間とデジタル空間の両方から収益を最大化するモデルが有効と考えます。

さらに、適性の高いIPとしては、『呪術廻戦』『鬼滅の刃』『ガンダム』『ポケモン』『ウルトラマン』など、マイナーチェンジ展開に適し、かつコレクション文化が強い作品が挙げられます。

このように、【体験×コレクション×マイナーチェンジ】を重視した次世代型商業施設モデルは、単なる一過性のブームに依存せず、持続的なファンリピートを実現し、Jカルチャービジネスの成長エンジンとなりうるものと確信しております。

 
 
 

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