top of page
検索

基本方針 防災まちづくり ⑥

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2023年11月10日
  • 読了時間: 2分

【内容】

  1. これまでの論点整理

  2. 「防災を目的」にしないまちづくり

  3. 「防災」の習慣化


1.これまでの論点整理

防災まちづくりに対する定義や歴史、近年の動向などの論点は、下記の通りです。

  1. 防災まちづくりの定義は、自然災害に伴う被害をできるだけ小さくするように、災害に強い街を作っていく、行政と市民との協働努力。

  2. 日本は災害大国であり、近年ますます激甚化する自然災害に対応した対策が急務。

  3. 防災施設の建造というハード思考から、減災、自助・共助のよる避難重視のソフト思考に移行。

  4. ほぼ毎年起こる地震と台風による被害の中で、阪神淡路大震災や東日本大震災で、公助の限界と、自助・共助の重要性を再認識。

  5. 防災まちづくりとは、都道府県や市区町村を経て、地域の防災計画づくりを通した防災ひとづくりのこと。

  6. 公助依存に伴う自己判断の難しさ、コミュニティの希薄化に伴う他人への支援の難しさ、不確かな将来に備えた防災コストの難しさが課題


2.「防災を目的」にしないまちづくり

次世代の防災まちづくりの課題は、「公助への依存が高かった日本人が、災害の激甚化とコミュニティが希薄化した環境の中で、いかにして自助・共助重視に意識転換できるのか?」だとまとめられます。

「防災」を目的に、「共助すべき」と言う責任意識で、近隣住民や要支援者に声がけしたとしても、賛同者や巻き込める人たちは、限られてしまうのではないでしょうか。

「すべき」と言う概念では、自治体もコミュニティも個人も、自助・共助・公助の範囲を押し付け合い、責任転嫁ゲームに終始してしまいます。

シン防災まちづくりでは、「防災を唱える防災まちづくり」ではなく、「(地域)コミュニティ」における(防災以外の)多様な活動を活性化する事によって、結果的に「防災にも」強くなるというインクルーシブなスタンスを重視したいと思います。

「助ける」と言う「能動態」でも、「助けられる」と言う「受動態」でもなく、各々が「助かる」と言う【中動態】スタンスでの関わりを検討します。


3.「防災」の習慣化

シン防災まちづくりとは、インクルーシブな防災活動ですから、できるだけハードルを下げることによって、日常行動の中に折り込んで習慣化することが必要だと考えます。

では何を習慣づければ良いのでしょうか?

ここでは、下記の3つの方策を提案します。

方策1:自己判断の習慣化

方策2:要支援者連携の習慣化

方策3:ライトな防災行為の習慣化


次回以降で、具体的な方策について触れていきます。

 
 
 

最新記事

すべて表示
共体験研究の変遷 共体験デザイン ③

【内容】 第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 第2章 共体験の社会的接合と都市研究への展開 第3章 共体験の測定・検証と都市開発への統合   第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 都市開発における「共体験」の研究は、1960年代から80年代にかけて、公共空間における人々の行動観察から始まりました。 ウィリアム・ホワイトの『The Social Life of Small Urban Spaces

 
 
 
共体験の定義 共体験デザイン ②

【内容】 第1章 「共体験」とは何か 第2章 都市開発における共体験の広がり 第3章 都市開発での実践方法   第1章 「共体験」とは何か 「共体験(Co-experience)」とは、複数の人が同じ時間や場所で体験を分かち合い、その中で互いに感情や意味を育てていくことを指します。 例えば、一人で食事をするのと、友人や家族と一緒に食事をするのとでは、同じ料理でも感じ方が違います。 それは、周りの人

 
 
 
今なぜ 共体験なのか? 共体験デザイン ①

【内容】 第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 第2章 経済的・技術的背景からみる共体験デザインの価値 第3章 多様性・実務性を踏まえた都市開発の新たなインフラ     第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 現代の都市は、人の数こそ多いものの、匿名性が強まり個人は孤立しがちです。 都市生活者の多くは、道を行き交う群衆の中で互いに接触することなく、ただ通過していく日常を過ごしてい

 
 
 

コメント


bottom of page