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推進のための課題 ネオ生業の時代 ⑤

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 4月14日
  • 読了時間: 3分
  1. 「後ろめたさ」からの卒業

  2. 「日本的な謙虚さ」からの卒業

  3. ベンチマークとしての「キッチンカープラットフォーム」

 

 

1.「後ろめたさ」からの卒業

日本人が副業としてネオ生業を始めるのに後ろめたさを感じる理由は、主に企業文化や社会的な価値観に根ざしています。

終身雇用や会社への忠誠心が重視される中で、副業は「本業への集中力が欠ける行為」と見なされがちです。

また、「副業=お金に困っている」「本業以外で稼ぐのはズルい」といった偏見や、周囲の目を気にする心理も影響しています。

さらに、自分だけが副業することで「仲間外れになるのでは」という不安も後ろめたさを強めます。

これらを克服するためにも、「副業」という位置付けではなく、ネオ生業を「スキルアップや自己成長の機会」と捉え、ライスワーク(本業)との相乗効果を意識することが大切です。

「後ろめたさ」から卒業し、自分の人生を主体的に設計するマインドが重要なのです。

 

2.「日本的な謙虚さ」からの卒業

「aini」という体験提供プラットフォームがあります。

単に観光するだけではなく、各地で開催される「〇〇を楽しむ会」「〇〇体験ツアー」などの体験プログラムをマッチングするサービスです。

以前このサービスの運営者が「一番苦労するのは、体験プログラムの提供者づくり」で、日本人独特の「謙虚さ」から「いやぁー私くらいのレベルでは、人様に教えるなんてとても無理」という反応がほとんどだといいます。

この謙虚さや控えめさは、ネオ生業を推進していくときにも大きな障壁となります。

多くの人は、自分の能力を過小評価し、「まだ未熟」と感じるため、ものを作って販売したり他人に教えることにためらいを覚えるのです。

また、失敗や批判への恐れ、責任感からくる慎重さも、自信を持つことを阻む要因です。

集団調和を重んじる風土の中で、自己主張が摩擦を生む懸念から、ネオ生業の一歩を踏み出すのが難しい現状があります。

 

3.ベンチマークとしての「キッチンカープラットフォーム」

サラリーマンの人生は、ルールに沿って一歩一歩登っていく「階段」のイメージです。

それに対してネオ生業は「ジャングルジム」だといえ、自己責任で上下はもちろん前後左右どこへでも向えます。

この先の見えない「焦りと不安」とを噛み殺しながら、匍匐前進していくのですから、それを支える仕組みが必要ではないでしょうか。

ネオ生業の普及に向けたベンチマークになるのが、Mellowやネオ屋台村などのキッチンカープラットフォームです。

キッチンカーの開業費は300〜400万円と、数千万円単位が必要な飲食店舗に比べて小さく、開業しやすい業態です。

ただし個人営業のキッチンカーに場所を提供してくれる場所は限られており、開店場所の確保が普及のネックになっていました。

これを「公認の存在」にしたのが「キッチンカープラットフォーム」です。

公開空地や駐車場、店舗前の遊休地を見つけて、保有する地主と交渉・説得して借り上げることでスペースを確保します。その一方で、キッチンカーを募集し、審査・登録して、マッチングしていくことで、「信用」の後ろ盾になり、「手間」が省けるというプラットフォームになっています。

ネオ生業の推進にも、個人の活動を公認し、集客することで、開業ハードルを低くするプラットフォームが必要ではないでしょうか

 
 
 

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