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方策3「共創ふるさと」構想 シンふるさと論 ⑧

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 5月16日
  • 読了時間: 3分

【内容】

  1. 新たにふるさとを共創する視点

  2. 共創するための方策

  3. 多様な人たちを巻き込む効果

 

 

1.新たにふるさとを共創する視点

 これまで「ふるさと」は、その地域の出身者が受け継ぐものと考えられてきました。

しかし、人口減少が進む現代では、「受け継ぐ」だけでなく「新たに創る」という視点が求められます。

「共創ふるさと」構想は、高齢者・若者・移住者が共に新しいふるさとを築く仕組みを整備し、地域の持続的な発展を目指します。

 

 

2.共創するための方策


1. 「ふるさとゲストハウス」の整備

地方の空き家を改修し、地域の高齢者が運営するゲストハウスとして活用します。

都市の若者を定期的に受け入れ、農作業や伝統工芸の体験を提供することで、世代間交流を促進します。

若者にとっては、地域に根付く機会となり、移住や長期的な関係構築のきっかけとなります。

また若者が週末ごとに地方を訪れ、地域の仕事を手伝いながら地域の人々と関わる仕組みも整備します。

高齢者が農業や漁業、伝統文化を若者に伝え、若者はデジタル技術や新しいビジネスモデルを地域に提供することで、相互補完的な関係を築きます。

 

2.「ふるさと継承パートナー」制度

地域の高齢者が持つ資産を、若者や都市住民が継承しやすい仕組みを作ります。

高齢者が所有する田舎の家や土地を、若者や都市住民に譲渡・貸し出す仕組みを導入します。

高齢者は「パートナー」として若者に生活の知恵や地域の歴史を伝え、若者は地域で新たな価値を創出する役割を担います。

 

3.移住者と地元住民の共創プログラム

移住者が地域文化を学びながら、新しい価値を生み出す仕組みを作ります。

地域おこし協力隊の制度を活用し、移住者が地域の高齢者や住民と協力して、新しい「ふるさと文化」を創造する場を提供します。

例として、伝統工芸や郷土料理を現代風にアレンジし、新しいデザインの器を開発し、都市部の市場への展開に取り組むなど、新たな市場を開拓するプロジェクトを推進します。

 

 

3.多様な人たちを巻き込む効果


1.「ふるさとは受け継ぐもの」という固定観念を超え、誰でもふるさとを創れる社会へ

生まれ育った地域に関係なく、誰もが「ふるさと」を持てるようになります。

都市住民が地方と関わるハードルを下げ、新たな関係人口の創出につながります。

 

2.地域の高齢者と都市の若者の交流が促進され、地域活性化につながる

若者が地域に関わることで、高齢者の知識や経験の継承が可能となります。

地域に活気が生まれ、人口減少の課題に対する新たなアプローチが生まれます。

 

3.新しいライフスタイルとして、地方と都市の関係が変化し、持続可能な地域社会が形成される

地方と都市の関係が「移住するかしないか」ではなく、多様な関わり方が生まれます。

「関係人口」が増加し、地域経済や文化の持続的な発展が期待できます。

 

「共創ふるさと」構想は、人の関係性(ふるさと交流)、空間(街なかふるさと)に加えて、文化・技術を共創するという視点からふるさと論を再構築する試みです。

これにより、「移住しないと関われない」「地元でなければふるさとではない」といった既存の考え方を超え、より多様な人々が関われる「シン・ふるさと」の実現が可能となります。

都市と地方の新たなつながりを築き、持続可能な地域社会の創出に貢献することを目指します。

 
 
 

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