top of page
検索

次世代エリマネ(TCD)の時代⑧ アウトプットA:街のコンテンツ「リーグ戦」見立て

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2021年12月10日
  • 読了時間: 3分

街のコンテンツを様々な人が楽しめるサッカーのリーグ戦のように編集した上で発信してはどうでしょうか?ロナウドやメッシのようなスーパースターは別格ですが、プロサッカーでは一般的に、「個」ではなく「チーム」で認識されてファンが付きます。さらには「リーグ」としてのグルーピングにより、メディアが配信する対象として取り上げられ存在感と価値が見える化しています。

プロサッカーはリーグ戦形式で試合を繰り返し、継続的なコンテンツとして認知・定着させています。さらに試合内の様々なコンテンツを名勝負集やゴール場面集などに再編集したり、ベンチ裏の様子、選手インタビューなど様々な追加・スピンアウトしたコンテンツで、資産としての魅力を膨らませていくのです。

各都市の特性に合わせた「遊・文化」テーマ(食、音楽・ダンス、アート、マンガ・アニメ、ゲームなど)で、まず複数の担い手有志のチームを作ります。そのチーム同士がリーグ戦形式で定期的に対戦を続けていくのです。プロ野球やサッカーなどの例に明らかなように、トーナメント形式ではなくリーグ戦形式であれば定期的&継続的にコンテンツとしてオンライン上でも発信可能です。オンラインコンテンツとして発信し続けることでリーグ&チームのファンを育み、その対戦風景をフックにして、チームでの取り組みやさらプレイヤー個人のこだわりや個性に落とし込んでいくことで、個人の活動への理解と協力機会も増えていくのではないでしょうか。その結果としてリアルな来街・来店の動機につながるのです。

その都市の独自テーマでリーグ戦形式の対戦が定着すれば、より強化・進化させるためにチーム内での協力、教育、共同研究が促されるのではないでしょうか?さらにアートやテクノロジーなど他分野との連携による研鑽も進むと考えられます。各都市の特性や潜在力を踏まえたテーマによる「コンテンツ・リーグ」は都市の文化的魅力を顕在化し、ファンを育むとともに、街の文化資産としてオンライン上にストックされていきます。国際的にも評価の高い日本のコンテンツをリーグ化すれば、グローバルからのアクセスも期待できます。

オンライン上でさまざまな体験・共感を経たファンが、より上質なリアル体験を求めても不思議ではないでしょう。贔屓のチームとの特別な交流イベント、好きなプレイヤーとのリアル対面パーティなどの上質なリアル体験は、非常に高い付加価値を生むと考えます。

リアルな観光・集客によって「量」を求めるだけでなく、オンライン1stでコンテンツの「質」を高め、ファンを育み価値化を図るために「リーグ戦」見立て戦略は非常に有効ではないでしょうか?

 
 
 

最新記事

すべて表示
共体験研究の変遷 共体験デザイン ③

【内容】 第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 第2章 共体験の社会的接合と都市研究への展開 第3章 共体験の測定・検証と都市開発への統合   第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 都市開発における「共体験」の研究は、1960年代から80年代にかけて、公共空間における人々の行動観察から始まりました。 ウィリアム・ホワイトの『The Social Life of Small Urban Spaces

 
 
 
共体験の定義 共体験デザイン ②

【内容】 第1章 「共体験」とは何か 第2章 都市開発における共体験の広がり 第3章 都市開発での実践方法   第1章 「共体験」とは何か 「共体験(Co-experience)」とは、複数の人が同じ時間や場所で体験を分かち合い、その中で互いに感情や意味を育てていくことを指します。 例えば、一人で食事をするのと、友人や家族と一緒に食事をするのとでは、同じ料理でも感じ方が違います。 それは、周りの人

 
 
 
今なぜ 共体験なのか? 共体験デザイン ①

【内容】 第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 第2章 経済的・技術的背景からみる共体験デザインの価値 第3章 多様性・実務性を踏まえた都市開発の新たなインフラ     第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 現代の都市は、人の数こそ多いものの、匿名性が強まり個人は孤立しがちです。 都市生活者の多くは、道を行き交う群衆の中で互いに接触することなく、ただ通過していく日常を過ごしてい

 
 
 

コメント


bottom of page