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第7章 参加の入口を増やす 参加デザイン ⑦

執筆者の写真: admin
admin
15 時間前
読了時間: 3分

【内容】

1.最初の一歩は、できるだけ小さくする

2.入口は一つではない

3.入口は「空間・プログラム・情報」でつくる

 

 

1.最初の一歩は、できるだけ小さくする

「もっと多くの人に参加してほしい。」

これは、あらゆる集客施設に共通する願いです。

しかし私たちは、興味を持ったからといって、すぐに本格的な参加をするわけではありません。

例えば、新しいレストランができたとします。

最初から特別なコース料理を予約する人は少ないでしょう。

まずは店の前を通り、雰囲気を眺める。

ランチを食べてみる。

気に入れば、家族や友人を連れてくる。

そして特別な日に利用するようになります。

人との関係は、このように少しずつ育っていきます。

文化施設やスポーツ施設も同じです。

最初からチケットを購入してもらうことだけを考えるのではなく、「少し立ち寄ってみよう」と思えるきっかけを数多く用意することが重要です。

参加デザインの第一歩は、人を集めることではありません。

最初の一歩を踏み出しやすくすることなのです。


2.入口は一つではない

従来の集客では、参加の入口は一つでした。

スポーツなら観戦チケット。

コンサートなら入場券。

美術館なら展示鑑賞。

つまり、「施設を利用すること」が参加でした。

しかし現在では、参加の形はもっと多様になっています。

横浜スタジアムでは、試合を観戦しなくても横浜公園を散策し、イベントや飲食を楽しむことができます。

赤坂サカスでは、劇場へ入らなくても街全体で作品の世界観を体験できます。

商業施設では、買い物をしなくても広場で過ごし、イベントを楽しみ、カフェを利用する人がいます。

つまり、「少し関わる」ことも参加なのです。

参加の入口は、一つである必要はありません。

街を歩く。

写真を撮る。

休憩する。

マルシェをのぞく。

公開リハーサルを見る。

SNSで情報に触れる。

こうした小さな接点が増えるほど、新しい参加者は自然に増えていきます。

参加デザインとは、多様な入口を設計することでもあります。


3.入口は「空間・プログラム・情報」でつくる

では、参加の入口はどのように設計すればよいのでしょうか。

私は、入口には三つの種類があると考えています。

一つ目は、空間の入口です。

広場や公園、カフェ、コンコースなど、誰でも気軽に立ち寄れる場所を用意することです。

二つ目は、プログラムの入口です。

マルシェ、体験会、公開練習、ミニコンサート、展示など、本格的な参加の前に楽しめる小さなプログラムを充実させます。

三つ目は、情報の入口です。

SNS、ライブ配信、街なかのサイン、口コミなど、参加する前から興味を持てる情報との接点を増やします。

この三つが組み合わさることで、人は自然に参加への一歩を踏み出します。

入口とは、単に無料イベントを増やすことではありません。

「ここなら少し関わってみようかな」と思える機会を、街や施設のあちこちに散りばめることです。

参加デザインは、参加者を無理に呼び込む設計ではありません。

人が自ら一歩を踏み出したくなる環境を整える設計です。

そして、その小さな一歩こそが、長い関係の始まりになります。

次章では、この最初の参加を一度きりで終わらせず、継続的な利用やファン化につなげる「参加を育てる」方法について考えていきます。

 
 
 

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