top of page
検索

観光産業3.0⑧ ワーケーションの可能性と課題

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2022年2月23日
  • 読了時間: 2分

コロナ禍で苦しむ観光産業の救済手段として、俄かに注目されているのが、ワーケーションです。Workと Vacationを合成した造語で、観光地におけるリモートワークと言い換えられます。経済同友会の提言書を筆頭に、観光産業関連の様々な提案書がワーケーションを大きな柱として取り上げています。リモートワークで場所を選ばずに仕事ができることが証明され、非日常利用が中心であったホテルを日常利用する方策として分かりやすいと思います。帝国ホテルをはじめ様々な都市ホテルが、既に定額利用サービスを打ち出していますから、そのリゾート展開と考えられるかも知れません。これまで時間的・場所的な繁閑期の偏在という観光業の大きな課題も解決できそうで、矢野経済研究所による研究でも、699億円(2020年)から3622億円(2025年)と、市場規模の急速な拡大が予想されています。

一方ワーケーションの課題も明らかになりつつあります。最も指摘されている「労務管理」ですが、リモートワークと同様に考えればさほど大きな問題ではないと推察されます。会社での同調圧力に対しても、1ヶ月間南の島でワーケーションを楽しむというのは現実的ではありませんが、週末の前後を1日ずつ増やして三泊四日の旅行を楽しむという感覚であればハードルが低そうです。週休3日制を導入する企業も現れ出し、国内であれば手軽に活用できそうで、優秀な人材、特に不足すると言われる IT人材をリクルーティングする上でも納得感が高いと考えられます。

あとはハード面で通信環境を整えたり、客室とは別にニーズの高い個室型のビジネススペースを設ける事など必要でしょうか。

さらに一歩進んで広い意味での福利厚生サービスの一環として、交通費や宿泊費の補填制度などが整うと非常に利用しやすくなります。年末年始や盆休みなどの大型連休に集中しがちな、観光地混雑の緩和と同時に、観光産業の雇用問題をもとにした人材不足やサービス低下に対して有効な方策になるかも知れません。将来的な移住につながる「プチ移住効果」も期待できそうです。

 
 
 

最新記事

すべて表示
なぜ今、マンガという社会 OSが必要なのか 漫画立国論 ①

【内容】 第1章 社会は「説明できない苦しさ」を処理できなくなっています 第2章 マンガは「主張しない公共言語」です 第3章 マンガという社会OSを持つという選択     第1章 社会は「説明できない苦しさ」を処理できなくなっています いまの社会には、かつてとは質の異なる苦しさが広がっています。 失業率や所得のように数字で示せず、制度や責任論でも整理できない、「うまく言葉にできない生きづらさ」と言

 
 
 
ご近所資本主義の未来 ご近所資本主義 ⑩

【内容】 第1章 「都市の役割」が静かに変わる未来 第2章 経済と仕事の意味が再定義される未来 第3章 幸福のかたちが更新される未来     第1章 「都市の役割」が静かに変わる未来 ご近所資本主義が社会に浸透した先にまず現れるのは、都市やまちの役割そのものの変化です。 これまで都市は、効率的に人を集め、消費を促し、経済規模を拡大するための装置として設計されてきました。しかし、人口減少や成熟社会を

 
 
 
ご近所資本主義の効用 ご近所資本主義 ⑨

【内容】 第1章 地域経済と都市の構造が変わる 第2章 文化・行政・教育への広がり 第3章 個人の幸福と社会の未来     第1章 地域経済と都市の構造が変わる ご近所資本主義が浸透すると、地域経済のあり方は大きく変化します。 これまでの地域経済は、外部資本の誘致や集客数の増加といった「成長」や「拡大」を目標としてきました。しかしその結果、地域で生まれたお金が地域外へ流出し、地元の商いや雇用が不安

 
 
 

コメント


bottom of page