top of page
検索
  • 執筆者の写真admin

顧客接点プレイス ⑥ ニューノーマルの購買システム

コロナ禍を経たニューノーマルの購買システムは、従来のようにリアル店舗を中核にして、送客手段をWebサイトが分担する、という形ではなくなりつつあります。むしろ最終購入はネットショップになる可能性が高く、店舗は、SNSや広告などとシームレスに連携する「ニューノーマルの購買システム」の一翼を担うことになると考えます。購買システムの主役のシフトです。


買い物の根源的ニーズは①便利に入手したい(キャッシュレス決済、宅配便)②失敗したくない(試着、口コミ)③教えて欲しい(店員相談、レコメンド)④楽しみを加えたい(ウインドウ・ショッピング、ポイント付与、投げ銭)だと言われます。(ローランド・ベルガー調べ)

シームレスな購買システムとして、①②はオンライン販売が担い、③④はリアル店舗が対応するという役割分担になるでしょうか。

デジタル技術の進展に伴い①②の精度は向上し、慎重になるユーザーニーズにきめ細かく対応可能になります。


リアル店舗においても、「単に商品があるから、スタッフがいれば良い」という以上の顧客体験ニーズを覚悟すべきです。対応すべき機能は、次の3点になります。

  1. ブランド体験:ブランドの価値観や世界観を、没入感のあるリアルな環境やスタッフのホスピタリティ、さらには飲食などの多様なサービス要素で表現する必要があります。

  2. コンテンツ体験・手触りや風合いを始め、試着・フィット感の確認。さらには相談・アドバイスできる体制が必要です。

  3. コミュニティ体験:ユーザーを対象にしたセミナーやイベント。ファン同士のコミュニティ交流会などによる帰属感を高揚する施策が必要です。


もう店舗は、商品を売る場所ではなくなります。「店」から「見世」への発想の転換が必要です。


さらに超・成熟社会化に伴う人々の承認欲求の高まりは、もはや消費では満たされなくなりつつあります。人は「いいね」と「フォロワー」を求めるために手間とコストを掛けるようになっているのです。

西野亮廣氏が「作り上げた料理を提供するレストラン型から、様々な食材を自分好みに料理して楽しむバーベキュー型が価値を持つ時代。お客さんに質の高い発信をさせてあげられるエンタテイメントが必要だ」と言うように[共創価値:プロセスエコノミーの時代]の到来です。

99.996 %はスルーされる情報洪水の中で、自分ごと以外の情報はスルーされる時代です。従来のように認知すれば購入するわけではなく、少なくとも「共感」が必要で、さらには「参画・共創」を通じて購入欲求を高める施策が求められると考えます。


最新記事

すべて表示

インプット方策 共創から競創へ ⑥

【内容】 街の魅力の「磨き上げ」 磨き上げのための【(1/100)の3乗戦略】 「場所性」×「体験性」×「演出」で磨き上げる 1.街の魅力の「磨き上げ」の必要性 これまでの考察から、まちづくりのゴールは、「サードプレイスとしての魅力化」だと考えます。 街づくりとは、住む人が多い街ではなく、働く人が多い街でもなく、「わざわざ繰り返し街を訪れる人(=街のファン)が多い街【サードプレイス・タウン】づくり

エリマネの可能性と課題 共創から競創へ ⑤

【内容】 まちづくりとエリアマネジメント エリアマネジメントの課題 エリアマネジメントの進化の必要性 1.まちづくりとエリアマネジメント 2000年頃から街の活性化の切り札としてエリアマネジメント(以下エリマネ)という考え方が積極的に導入されるようになりました。 国交省の「エリアマネジメントのすすめ」によると、「地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者などに

まちづくりとコミュニティ 共創から競創へ ④

【内容】 まちづくりと同義語 コミュニティ参画のメリット まちづくりのゴール 1.まちづくりと同義語 先述したように、日本においては政府報告書「コミュニティ:生活の場における人間性の回復(1969)」において「村落共同体ではなく、新しい地域をまとめるための概念としてのコミュニティ」が記載されることにはじまります。 同じ頃にひらがなの「まちづくり」も提唱されはじめます。 日本屈指の地域政策プランナー

bottom of page