top of page
検索

CAMPUS2.0 ⑨スマートキャンバス

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2022年5月13日
  • 読了時間: 2分

大学の本質的な価値が「創造の6次産業」であるとすると、これまでの既成概念でイメージされてきた大学リソースの再編が必要だと考えます。

① 人のリソース再編:Web授業の提供であれば、極端に考えれば東進ハイスクールの例に見るように、一部の花形教員の動画がいくつかあれば十分になります。一方で関心が長続きしないオンライン授業対応のサポート&トレーニングスタッフが必要になります。その他の教員は、講義に当てていた時間を少人数ゼミの指導の時間や、教員自身の研究時間に充てることができると考えます。

② 物のリソース再編:大学施設の在り方が大きく変わります。大講義室は不要になりますし、 Web授業による低稼働の施設は再編対象になります。その上でラーニングスペースを工夫した施設への投資配分も可能になると考えます。オフィスではリアルな対面会議がミニMICE的な性格が強くなるという予測をしましたが、大学でもリアルなゼミ授業を中心に、ゼミ前の準備ワークやゼミ後の交流対応などが、重視されるようになるのではないでしょうか?

③ 情報のリソース再編:オンライン化に伴いこれまで個別研究室単位に紙中心でストックされていた情報が、デジタル資産にシフトし共有活用が可能になります。研究予算と成果データが集まれば、より有効な投資判断が可能になりますし、学生の学修データが集まれば、採用企業とのマッチング効率が高まります。研究データの集積はより活発な産学連携につながります。これまでガバナンスの体制も指標もなかった大学が組織として有機的に活動できる様になります。


もちろん偏差値や就職率、企業との共同研究額だけが、大学の評価につながる訳ではありませんが、これまでは大学という権威と格式あるハードに隠されて、費用に対する効果測定が有耶無耶にされてきたのではないでしょうか。今回のコロナ禍を通じて様々な指標の見える化できれば、大学が真にマネジメントされる契機になると考えます。本来は社会を先導すべき立場にある大学が、コロナ禍に伴う変化を進化機会と捉えるか?あるいは保守・退行に止まるのか? リアルな大学の存在意義そのものが問われているのではないでしょうか。

 
 
 

最新記事

すべて表示
共体験研究の変遷 共体験デザイン ③

【内容】 第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 第2章 共体験の社会的接合と都市研究への展開 第3章 共体験の測定・検証と都市開発への統合   第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 都市開発における「共体験」の研究は、1960年代から80年代にかけて、公共空間における人々の行動観察から始まりました。 ウィリアム・ホワイトの『The Social Life of Small Urban Spaces

 
 
 
共体験の定義 共体験デザイン ②

【内容】 第1章 「共体験」とは何か 第2章 都市開発における共体験の広がり 第3章 都市開発での実践方法   第1章 「共体験」とは何か 「共体験(Co-experience)」とは、複数の人が同じ時間や場所で体験を分かち合い、その中で互いに感情や意味を育てていくことを指します。 例えば、一人で食事をするのと、友人や家族と一緒に食事をするのとでは、同じ料理でも感じ方が違います。 それは、周りの人

 
 
 
今なぜ 共体験なのか? 共体験デザイン ①

【内容】 第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 第2章 経済的・技術的背景からみる共体験デザインの価値 第3章 多様性・実務性を踏まえた都市開発の新たなインフラ     第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 現代の都市は、人の数こそ多いものの、匿名性が強まり個人は孤立しがちです。 都市生活者の多くは、道を行き交う群衆の中で互いに接触することなく、ただ通過していく日常を過ごしてい

 
 
 

コメント


bottom of page