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「都市の本質」を問われる時代=ドラマテリアの創造

  • 執筆者の写真: 松岡 一久
    松岡 一久
  • 2018年1月4日
  • 読了時間: 2分

新年明けましてオメデトウございます。

本年も何卒よろしくお願い致します。


昨年末に弊社がある千駄ヶ谷の神社前の書店が廃業しました。

店頭には老店主から長年の愛顧への感謝とともに「書店という業種の将来性を冷静に分析した結果 廃業という結論に至った」というメッセージが貼り出されていました。

ネット書店とデジタル配信の普及を考えると致し方ないのでしょう。

イノベーションの進展とともに「業界消滅、産業蒸発」ともいえる状況だと言うことです。

国交省の「国民の生活行動調査」によると「外出・移動」は年を追うごとに減少し、しかも若年層の方が高齢者よりも少ないというデータになっています。

買い物やビジネスで外出・移動する比率が減ってきているためで、今後 確実に「役務としての移動」は減少していくことになると思います。

そうすると「わざわざ家から外出して、なぜ都市に集う必要があるのか?」についての答え(人が集まる=都市の本質)が求められることになると考えます。

以前ある研究会で「街で出会ったイケてる人のファッションをその場で購入できる仕組みをつくる」という提案がありました。

その上でアフィリエイト還元することで、「買いたい人ではなく、売りたい人が街を歩いてくれる」という訳です。

このように「これからの都市はステージであり、ギャラリーであり、スタジオである」という状況になるのではないでしょうか?

インスタグラムが「日常をハレの場」にした状況を超えて、都市には情報発信を前提とした物語の舞台(=ドラマテリア)としての役割が求められるのではないでしょうか?

単なる機能・スペックの集積価値だけでなく、ステークホルダーのDNAから立ち上る文化を纏った舞台価値を競う時代になっているのだと思います。

私たち国際文化都市整備機構が標榜する「文明から文化へ」の潮流を顕在化させる一年にして行かなければいけないと考えます。


 
 
 

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