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イメージ先行の「実証実験」

  • 執筆者の写真: 松岡 一久
    松岡 一久
  • 2017年1月30日
  • 読了時間: 1分

更新日:2018年2月5日

最近 都市開発プロジェクトを検討する際に「実証実験」の場の提供という提案が盛り込まれることが多くなっています。


都市開発のテーマが産業創造のためのプラットフォームづくりに置かれ、そのためには実証実験の場を提供する必要があり、その前提となる規制緩和を求めていこうという流れになっています。

分からないでもないですが、以前創業支援のためにはとにかく「インキュベーションオフィス」が必要だという流れと似たモノを感じます。

あたかも実証実験さえ可能になれば産業が興隆していくというようなイメージが先行してしまっています。

「どこで」「どの分野の」「どのレベルの」実証実験を行えば有効なのかが明確でないまま、イメージで規制緩和のための特区申請につながってしまっています。

さらに言えば「企業が実証実験をしたい場所」というのもどこでも良いわけではないはずです。

東工大の中井先生がおっしゃるように実際には「規制」が障害になるよりも「住民・利用者のコモンセンス」及びそれを前提に「尻込みしてしまう大企業体質」の方がハードルになっていることが多いようです。

もちろん正解のない時代ではありますが、もう少し丁寧な検討が必要だと実感します。

 
 
 

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