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「文明」都市から「文化」都市へ

  • 執筆者の写真: 松岡 一久
    松岡 一久
  • 2016年12月2日
  • 読了時間: 1分

先日 FIACSの関連でカドカワの玉置さんとお会いしました。


話題は「アートの街づくり」の論点と批判に対するもので、玉置さんは「アートの街づくりにも良い例と悪い例がある」と仰います。

「街の既存の習慣や規制に影響を及ぼさ無いプログラムは価値が無い」らしいのです。

大阪の中之島公園に巨大なこけしアートを設置して、高速道路の視線の妨げなどの物議を醸し出す事などが、アートの街づくりの意義と本質だという事です。

これまで「快適・便利一辺倒」で進めらてきた「THEミライ都市志向」はいわば「文明」都市で、これからは「ある種のDNAを基に、快適・利便の一部を我慢する事によって得られる価値を共有できる都市(=文化都市)」が輝き続けるのでは無いか、という見識です。

文明都市が常に「新しい、早い、大きい」などの価値競争にさらされ、淘汰されやすいのに対して「文化都市」のポジションは、その舞台での生活・活動を通した工夫の継続により、魅力が磨き上げられていくのでは無いでしょうか?難しいテーマですが私たち国際文化都市整備機構で検討すべき中心課題だと思いました。


 
 
 

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