top of page
検索

震災5年目 東京から出来ること

  • 執筆者の写真: 松岡 一久
    松岡 一久
  • 2016年3月3日
  • 読了時間: 2分

THINK THE EARTHの上田さんたちが主催された「東北復興の今を知る 釜石から学ぶ復興」というセミナー&ダイアログに参加しました。


比較的順調な復興モデルとされる「釜石」の復興プロセスを聞きながら、東京から出来ることをディスカッションしたのです。

復興状況を聞くと「非・経済成長期」の震災復興には「本当にスピード感が必要なのだ」と実感しました。

もちろん防災対応の嵩上げ整備などが必要なのですが、「生活は待ってくれない」のですね。

他所での生活を選択する「動ける人たち」が出ていくと街はドンドン衰退してしまいます。

同じく「経済・産業も待ってくれない」ので代替取引先に切り替わるにつれ取引再開=産業再開が難しくなっていきます。

そんな状況認識のディスカッションでまず出来ることとして出てきたのは「東北での観光体験の発信」ということでした。

ボランティアで炊き出しの手伝いに行った男性は、逆に先方で新鮮な海の幸などをイロイロご馳走になってしまったというのです。

「来てくれただけで嬉しい。忘れられていないのが嬉しい」と暖かく迎え入れてもらったそうです。

「東北を盛り上げるために旅行しましょう」的な観光キャンペーンではなく、彼のような「暖かく迎い入れられた体験」を発信していくことによって、東北に対して可哀想&チョット義務的な動機とは異なる興味が湧いてくるのではないでしょうか。

震災5年目 東京から出来ることは、まず「観光体験の発信」を通じて東北を訪れる人たちを増やしていくことなのだと実感したセミナーでした。


 
 
 

最新記事

すべて表示
共体験研究の変遷 共体験デザイン ③

【内容】 第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 第2章 共体験の社会的接合と都市研究への展開 第3章 共体験の測定・検証と都市開発への統合   第1章 共体験研究の萌芽と概念の確立 都市開発における「共体験」の研究は、1960年代から80年代にかけて、公共空間における人々の行動観察から始まりました。 ウィリアム・ホワイトの『The Social Life of Small Urban Spaces

 
 
 
共体験の定義 共体験デザイン ②

【内容】 第1章 「共体験」とは何か 第2章 都市開発における共体験の広がり 第3章 都市開発での実践方法   第1章 「共体験」とは何か 「共体験(Co-experience)」とは、複数の人が同じ時間や場所で体験を分かち合い、その中で互いに感情や意味を育てていくことを指します。 例えば、一人で食事をするのと、友人や家族と一緒に食事をするのとでは、同じ料理でも感じ方が違います。 それは、周りの人

 
 
 
今なぜ 共体験なのか? 共体験デザイン ①

【内容】 第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 第2章 経済的・技術的背景からみる共体験デザインの価値 第3章 多様性・実務性を踏まえた都市開発の新たなインフラ     第1章 社会的背景と都市における共体験の必要性 現代の都市は、人の数こそ多いものの、匿名性が強まり個人は孤立しがちです。 都市生活者の多くは、道を行き交う群衆の中で互いに接触することなく、ただ通過していく日常を過ごしてい

 
 
 

コメント


この投稿へのコメントは利用できなくなりました。詳細はサイト所有者にお問い合わせください。
bottom of page