今なぜ ご近所資本主義なのか? ご近所資本主義 ①
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【内容】
第1章 画一化する都市と地域経済の空洞化という課題
第2章 「よき商い」と関係性が支えるご近所資本主義
第3章 多様性とレジリエンスを生む新しい資本のかたち
知人の小野裕之さんたちが「BUY LOCAL」という活動を展開し始めました。
鉄道会社の方など様々な人たちを紹介しながら、彼らが提唱する「ご近所資本主義」について勉強させていただきました。
本シリーズでは、次世代の地域活性化策としての、ご近所資本主義について、検討したいと思います。
第1回は「今なぜ ご近所資本主義なのか」について整理します。
第1章 画一化する都市と地域経済の空洞化という課題
近年、日本各地のまちは大型商業施設や全国チェーン、ネット通販の普及により、どこへ行っても同じような風景が広がるようになりました。
一見すると便利で効率的な社会に見えますが、その裏側では地域固有の個性が失われ、地元の小さな商いや個人商店が淘汰される状況が進んでいます。
その結果、地域で生み出されたお金が地元で使われず、域外へ流出する「穴の空いたバケツ」のような経済構造が常態化しています。
この構造では、地域で働き、稼いでいても、利益の多くは本社機能や外部資本へと吸い上げられ、地域経済の基盤は次第に弱体化します。
まちの魅力は薄れ、雇用の選択肢も減り、若者や担い手が流出するという悪循環が生まれます。
都市や地域が本来持っていた多様な生業や文化が失われていくことは、経済的な問題にとどまらず、社会的・文化的な損失でもあります。
第2章 「よき商い」と関係性が支えるご近所資本主義
こうした課題に対する一つの解として注目しているのが、「ご近所資本主義」という考え方です。
これは、地元に根ざした小さな商いや営みを単なる経済活動としてではなく、「地域の資本」として捉え直し、守り育てていこうとする思想です。
ご近所に多様な商いが存在することは、多様な雇用や生き方を支えるだけでなく、日常的な接点を通じて人と人との信頼関係を育みます。
顔の見える商い、顔の見える関係性は、都市化の進行によって失われがちだった安心感や居場所感を回復させます。便利さと引き換えに生まれた孤立や匿名性に対し、ご近所資本主義は「知っている誰かがいる」「応援したい店がある」という感覚を取り戻す力を持っています。
これは経済的価値であると同時に、都市幸福度、すなわち生活の質や心の安寧を支える重要な基盤でもあります。
第3章 多様性とレジリエンスを生む新しい資本のかたち
ご近所資本主義のもう一つの重要な価値は、多様性とレジリエンスを同時に高める点にあると言えます。
多様な商いが共存する地域は、特定の産業や外部資本への依存度が低く、経済的・社会的ショックに対してしなやかに対応できます。これは「暮らしが続くまち」を実現するための重要な条件です。
また、ご近所資本主義が重視するのは、モノや資産の所有ではなく、「関係の所有」、すなわち関係資本です。
誰とつながるか、どの店を応援するか、どのまちを誇りに思うかという日常の選択そのものが、新しい資本となります。
外からの大規模投資や開発に頼るのではなく、内側からの信頼と共感の積み重ねによって、地域は持続的に成長していきます。
要するに、ご近所資本主義とは、地域の関係性を資本として再構築する新しい経済・社会モデルです。
経済の自立、文化の多様性、都市幸福の回復、そして持続可能性の確保を同時に実現するこの思想は、今の日本社会が直面する課題に対する、極めて現実的かつ希望のある選択肢だと言えるのではないでしょうか。

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