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都市づくり5.0 Beyondコロナの都市づくり50のヒント(19) 生産者/消費者の連携工夫

Ⅰ生産地大変 / Ⅱ 消費者に届く工夫・届かない工夫/ Ⅲ 生産者の特徴や価値を見える化する工夫


Ⅰ 生産地大変

コロナ禍に伴う「飲食店への自粛要請」は、高級食材を中心に全国の生産地を直撃しています。昨年度の農水省の生産者交流ネットワーク事業を少しお手伝いし、全国の水産物の生産者の声を聞く機会がありました。日本全国で本当に様々な水産物が生産されている事、それぞれの漁業者が丁寧な仕事を施している事、しかし流通する上で付加価値として反映されていない事などが実感できました。

例えば長崎はフグの生産地で下関のフグの大半は長崎発である事や、データの上では「氷見のブリ」に匹敵する旨味を持つブリが取れる事、真牡蠣と岩牡蠣の両方を養殖できる数少ない生産地である事、などなど非常に恵まれた水産物の生産地なのですが、市場を経由すると「量」だけが重視され、きめ細かな「質」の情報は東京の消費者に届いていません。

同様にオリーブ、ハーブ、夏香など工夫を凝らし「フルーツ魚」と言われる養殖ハマチなども、その差異に気づく消費者は少ないようです。同じく船上〆し、丁寧に血抜き処理された魚も漁協を通してしまうと一括評価になってしまいます。

従来は(高級)飲食店が、調理人のこだわりを表現するために、産地や処理の方法を吟味して仕入れてきました。生産者の様々な工夫を、差異化の価値として支えてきた飲食店ニーズが無くなり、百貨店やスーパーの店頭に並ぶと、都会の消費者の情報不足により、工夫と差異化の価値が、殆ど認識されなくなってしまったのです。非日常機会として飲食店に求める「食材の質」と、日常機会の中で家庭において求められる「食材の質」が違うようです。生産者と消費者とを繋ぐ仕組みの前提が変わったのです。


※【Ⅱ 消費者に届く工夫・届かない工夫/ Ⅲ 生産者の特徴や価値を見える化する工夫】についてはnoteにて購入いただけますと幸いです。

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