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魅力資源「人テーマ」の磨き上げ方:ファン・タウン ⑥ 実践手法 A「人」

ファン・タウンづくりの実践方策Aは「人テーマ」です。

【内容】

  1. 人テーマの発掘対象

  2. 人テーマをつなぐプラットフォームづくり

  3. ギャップを秘めたブランディング

  4. そして開催場所を拡張していく



ファン・タウンづくりの実践手法として、魅力資源「人テーマ」の磨き上げ方を検討します。


1.人テーマの発掘対象

まずどんな人が発掘対象になるでしょうか?以下のような人たちが例示できます。

  1. こだわりの料理を提供してくれる飲食店の店主

  2. モノづくりの職人

  3. お稽古事から豊かなコレクションや蘊蓄・知見を持つ様々な分野の達人、

  4. 音楽・演劇・美術・工芸など様々の分野のアーティスト


2.人テーマをつなぐプラットフォームづくり

次にこの人たちを繋げるプラットフォームを検討します。

前述したように、個人の特技や興味をバラバラに並べただけでは、ユーザーに届きませんし、ファンも育めません。

大切なことは「ユーザー(受け手)がイメージしやすい体系化」です。

シブヤ大学や丸の内朝大学では、「街まるごと大学」に見立てて、「健康学部」や「美味しさ学部」のようにテーマグルーピングし、大学の講義として、教壇に立ってもらう機会を作っています。

「大学」見立ての他にも、「ストリートミュージアム」として、表現・発表の場と機会を提供できると面白いと思います。

もっと手軽には、住み開きをした上で、「街まるごとホテル」に見立てるセカイホテルの中の「文化室」のように位置付けたり、「大人の社会見学ツアー」に仕立てても良いと思います。


3.ギャップを秘めたブランディング

その上で、シブヤ大学のような「大学&面白フレンドリー」な表現や、燕三条の工場の祭典のように「工場&カラフルな祝祭感」のブランディングができると、ギャップによるインパクトを持ちます。

昔の街並みの中では、「ハレとケ」の対比が容易で、お祭りの祝祭感が、鮮やかに浮かび上がったのですが、「一年中がイベント」のようになっている都市の商業地において、存在感を持たせることは容易ではありません。インパクトのあるビジュアル演出や、丸の内朝大学のように、「朝」という時間に特徴を持たせることも参考になります。


4.そして活動場所を拡張していく

そして大切なことは、「活動場所の拡張」というベクトルを持つことです。

対象範囲を広げたり、開催場所を増やすだけでなく、公共施設や公園・道路など、開催ハードルの高い場所での実現を目指すことが、関係者のモチベーションになります。

コロナ禍ですっかり下火になってしまいましたが、「街バル」は非常によくできた仕組みだと思います。

共通チケットによる飲食店ホッピングは、それまで行ったことのない飲食店を開拓・体験する機会を楽しめますし、お店にとっても新規客との接点になっていました。

街バルの仕組みに加えて、月一度でも街路上にテーブル・椅子を並べて、「街まるごとビヤガーデン」になれば、非常にインパクトを持つのではないでしょうか。


次回は「場所テーマ」の実践手法を検討します。



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