top of page

第8章 試すことをデザインする:オフィスの行動 OS ⑧

執筆者の写真: admin
admin
12 時間前
読了時間: 4分

更新日:4 時間前

【内容】

1.創造性は「やってみる」ことから始まる

2.「失敗できない」が挑戦を止めている

3.試すことを育てる行動OS

 

  

1.創造性は「やってみる」ことから始まる

どんなに良いアイデアでも、頭の中だけでは価値は生まれません。

実際にやってみることで初めて、「ここは良い」「ここは改善した方がよい」ということが見えてきます。

子どもが自転車に乗れるようになるのも、本を読むだけではありません。何度も乗って、転んで、少しずつ上達していきます。

仕事も同じです。

最初から完璧な企画を目指すよりも、まず試してみることの方が、新しい価値につながることが多くあります。

創造性とは、「完璧な答えを考える力」ではなく、「試しながら育てる力」だと言えます。

 

2.「失敗できない」が挑戦を止めている

ところが、多くの会社では、「試す」ことが簡単ではありません。

企画は十分に完成してから提出する。

失敗しないように何度も確認する。

前例がないことは慎重に進める。

もちろん、品質や安全性が求められる仕事では大切な考え方です。

しかし、それがすべての仕事に当てはまると、新しい挑戦は生まれにくくなります。

「もっと良い方法があるかもしれない。」

そう思っていても、「失敗したらどうしよう」と考えてしまえば、人は最初の一歩を踏み出せません。

実は、創造性を止めているのは失敗そのものではありません。

小さく試せる場がないことなのです。

 

3.試すことを育てる行動OS

では、どうすれば「試す」ことが日常になるのでしょうか。

私は、まず「どこで試してほしいか」を考えることが大切だと思います。

人は、「もっと挑戦してください」と言われても、なかなか挑戦できません。

失敗を恐れるからではなく、試してみるきっかけがないからです。

そこで最初に、社員の一日を思い浮かべます。

例えば、

  • 朝、仕事を始める前

  • 会議でアイデアを話すとき

  • 新しい企画を考えたとき

  • プロジェクトの途中

  • お客様から新しい要望をいただいたとき

  • 一日の仕事を終える前

こうした日常の場面には、小さく試せるチャンスがたくさんあります。

次に考えるのは、

「この場面で、どんな挑戦が生まれると創造性が高まるだろう。」

ということです。

例えば、

企画会議なら「まだ3割のアイデアを見せる」。

プロジェクト中なら「まず一週間だけ試してみる」。

お客様から要望があれば「小さな実証実験をしてみる」。

仕事の終わりには「今日試したことを振り返る」。

このように、挑戦が生まれるシーンを一つずつ考えていきます。

そして、その挑戦が自然に続く仕組みをつくります。

例えば、

  • プロトタイプカフェ

  • 今月のチャレンジ発表会

  • 小さな実験制度

  • 今週の実験レポート

  • 失敗から学ぶ共有会

などです。

ここで大切なのは、「成功しなければならない」と考えないことです。

人は、「失敗してはいけない」と思うと、新しいことには挑戦できません。

しかし、

「まず一週間だけ試してみよう。」

「小さく始めてみよう。」

「みんなで意見をもらいながら育てよう。」

そんな気軽さがあれば、挑戦への心理的なハードルはぐっと下がります。

最後に、その挑戦を支える環境を整えます。

試作品を展示できるスペースを設ける。

ホワイトボードに実験中のアイデアを書き出す。

毎週デモタイムを開催する。

月に一度、チャレンジを共有する時間を設ける。

このように、行動・空間・運営を一緒に設計することで、「試すこと」は特別なイベントではなく、毎日の習慣になります。

私は、これが「試すことの行動OS」だと考えています。

創造性とは、一度で成功することではありません。

小さく試し、振り返り、改善し、その経験を次の挑戦につなげることです。

オフィスは、完成した成果だけを評価する場所ではありません。

社員が安心して「まずやってみよう」と思える環境を育てる場所です。

そんな小さな挑戦が毎日積み重なることで、「挑戦することが当たり前」の企業文化が生まれます。

そして、その文化こそが、変化の激しいAI時代において、新しい価値を生み出し続ける企業の原動力になるのです。

 
 
 

最新記事

すべて表示
第7章 問いをデザインする:オフィスの行動OS ⑦

【内容】 1.創造性は「問い」から始まる 2.答えは増えたのに、問いは減っていないでしょうか 3.問いを育てる行動OS 1.創造性は「問い」から始まる 私たちは、新しいアイデアは「良い答え」から生まれると思いがちです。 しかし、本当に新しい価値は、その前にある「良い問い」から生まれます。 例えば、 「もっと会議を効率化できないだろうか。」 と考えるより、 「そもそも、この会議は必要なのだろうか。」

 
 
 
第6章 対話をデザインする:オフィスの行動 OS ⑥

【内容】 1.創造性は「対話」の中で育つ 2.会議は多いのに、対話は少ない 3.対話を育てる行動OS 1.創造性は「対話」の中で育つ 人と出会うだけでは、新しい価値は生まれません。 その出会いが創造につながるためには、「対話」が必要です。 ここで言う対話とは、自分の考えを一方的に伝えることではありません。 相手の考えを聞き、自分の考えも伝え、お互いに理解を深めながら、一緒に新しい答えを探し

 
 
 
第5章 出会いをデザインする:オフィスの行動OS⑤

【内容】 1.創造性は「出会い」から始まる 2.出会いは減っていないでしょうか 3.出会いを育てる行動OS 1.創造性は「出会い」から始まる 新しいアイデアは、一人で考えているだけでは生まれにくいものです。 多くの場合、自分とは違う知識や経験を持つ人と出会い、話をすることで、新しい発想が生まれます。 例えば、営業担当がお客様の困りごとを話し、それを聞いた技術者が新しい商品を思いつくことが

 
 
 

コメント


bottom of page