top of page
検索

都市クオリア指標の高め方④ 「文化・芸術機能」による多様性拡張

  • 執筆者の写真: admin
    admin
  • 2021年11月8日
  • 読了時間: 2分

都市のクオリア指標を高める方法として最も分かり易い「文化・芸術機能」ですが、これも単にコンサートホールやミュージアムを整備するだけでは、通り一遍の効果にとどまると考えています。デジタル技術の進展で様々な音楽やアートに触れる機会が圧倒的に増えた現代では、単に鑑賞の対象としてよりもアーティストやミュージシャン本人及びそのファンとの体験共有が重要になるのではないでしょうか。ですからコンサートホールよりもライブハウス、ミュージアムよりもアトリエなどの制作空間を整備する方が、アーティストなどとの距離感も近くより多様な側面に接することが出来て有効だと考えます。

さらに一歩踏み込んで文化・芸術活動が街の日常の一部に定着すると素晴らしい効果をもたらします。「大道芸ワールドカップ」は毎年11月初旬に静岡で開催されます。駿府公園とメイン商店街を会場として、世界的なパフォーマーが集い大変な賑わいを作りますが、20年以上開催されている為、パフォーマーに引き込まれた見物客のノリは大阪人以上ですし、投げ銭も東京を凌ぐ金額になります。クラウンとして積極的に参加する市民も多く、大道芸が文化として定着することで、ノリが悪いと言われた静岡人の気質を変えてしまった感があります。

「まちライブラリー」は商店、飲食店・バーから歯医者まで、誰でもどこでも「図書館化出来る仕組み」で、全国に900箇所近くが展開しています。提唱者の磯井さんは「10人が好きな本5冊を持ち寄れば、50冊のライブラリーになる。自分が寄贈した本に興味を持つ人がいれば、その人とは趣味の共通点などで会話が弾む可能性が高くなる。」と言います。本がコミュニケーションの媒介になり、街の至る所に人が語り合える舞台が生まれているのです。

鑑賞として文化・芸術を超えて街の日常に定着できると、ビジネスシーンだけでは得られないネットワークと視野の広がりとを獲得できる機会になります。


【文化・芸術機能による多様性拡張:街の日常に非日常なネットワークと視野を呼び込む機会づくり】


 
 
 

最新記事

すべて表示
第2章 メルボルンはなぜ世界一住みやすい街になったのか

― 都市再生が生み出した「暮らしの質」― 【内容】 1.メルボルンは20年以上かけて街を育ててきました 2.目指したのは「24時間人が暮らす都心」でした 3.住みやすさは「都市の文化」から生まれました 1.メルボルンは20年以上かけて街を育ててきました オーストラリア第二の都市メルボルンは、現在、「世界で最も住みやすい都市」の一つとして広く知られています。 街を歩いていると、その理由はすぐに分かり

 
 
 
第1章 今、街づくりをアップデートするのか メルボルンの街づくり ①

― 成長社会から成熟社会へ ― 【内容】 1.現在の街づくりは「高度成長という時代の解答」でした 2.しかし、街を取り巻く前提条件は大きく変わりました 3.これからは「文化を育てる街づくり」が求められます 1.現在の街づくりは「高度成長という時代の解答」でした 私たちが暮らしている都市の多くは、高度経済成長期に形づくられました。 人口が増え、都市へ人が集まり、住宅やオフィスが不足していた時代で

 
 
 
第10章 しなやかな社会へ 情感資本によるしなやか社会づくり ⑩

【内容】 1.効率だけでは、幸せな社会はつくれません 2.MINYOは、一人ひとりが始められる文化です 3.情感資本が、しなやかな社会を育てます 1.効率だけでは、幸せな社会はつくれません 本シリーズは、「効率が悪い」と言いたいわけではありません。 むしろ、効率はこれからも社会に欠かすことのできない基盤です。 医療も、防災も、交通も、行政も、効率があるから私たちの暮らしは支えられています。

 
 
 

コメント


bottom of page